リコーITソリューションズ、開発工数86%減 AI駆動開発で組織目線刷新

2026年9月24日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 リコーITソリューションズは、ソフトウェア開発プロセスの刷新を目的に、グラファーの「Graffer AI駆動開発プログラム」を採用した。9月17日、グラファーが発表した。開発体制を生成AI(人工知能)前提へと移行させる伴走型支援プログラムを活用し、パイロット開発において当初11人月と見積もっていたタスクを約1.5人月で完遂するなど、開発生産性を大幅に向上させたという。今後はチーム全体での自律的なAI活用を定着させ、開発力の抜本的な変革を目指す。

 リコーITソリューションズはリコーグループのソフトウェア開発をけん引するIT企業。社内では生成AIの活用を進めていたものの、ツールの利用にとどまっており、組織全体への浸透や開発プロセスそのものをAI前提へ作り変えるには至っていなかった。また、生成AIを前提とした開発変革の成否が今後の競争力に直結するという危機感を抱いていたほか、長年培ってきたリコー独自の厳格な品質基準を維持しながら、いかに効率化と生産性向上を両立させるかが課題となっていた。

 そこで同社は、段階的な導入ではなく組織全体の目線を一気に引き上げ、AIを極限まで使いこなす到達点を早期に体感することを目的に、Graffer AI駆動開発プログラムの受講を決めた。数ある選択肢の中から、設定されたゴール水準の高さと、要件定義からテストに至る開発サイクル全般をAI前提でアップデートする実践的な伴走アプローチを評価した。

 プログラム導入後は、既存製品の機能開発にパイロットとして取り組んだ。担当者が未経験の製品領域であり、本来は多人数かつ長期間を要する規模の開発だったが、AIの活用とプロセスの見直しによって、当初11人月と見積もっていたタスクを約1.5人月で完了させた。実質86%の工数削減にあたる。有識者への依存を抑え、未経験の製品領域でもAIが選択肢やパターンを示すことで、手戻りやケアレスミスを減らし、レビュー負荷の軽減につなげた。この数値は特定のパイロット開発における実績であり、対象範囲や開発条件によって効果は異なる。

 さらにテスト工程では、設計段階からAIに設計資料作成を支援させ、人によるレビューと組み合わせる運用を確立。これによりユニットテストの工数を従来比で約50%削減し、案件によっては最大約80%の削減を記録した。加えて、セキュリティの定常業務においても確認項目をテンプレート化したことで、これまで半日を要していた作業が約1時間に短縮されるなど、周辺業務の効率化も進んでいる。

 リコーITソリューションズ取締役専務執行役員CTOの印田悦久氏は、「多くの企業はAI活用を『ステップ・バイ・ステップで進めよう』と考えがちだが、私たちは『AIを極限まで使いこなせばここまでできる』という到達点を社員に早く体感してもらうため、あえて一気に目線を引き上げる必要があると考えていた。突き抜けて高いゴールを掲げるグラファーのアプローチは、まさに私たちの狙いと合致していた」と話す。また、「私たちが何より大切にしているのは品質だ。長年培ってきた『リコースタンダード』を守りながら、AIによる効率化と生産性向上を同時に取り入れ、開発のあり方そのものを私たち自身の手で作り変えていく」と強調した。

ニュースリリース