マイナビは、業務効率の大幅な向上と社内AI活用の拡大を目的に「JAPAN AI CHAT」を採用した。5月7日、JAPAN AIが発表した。
マイナビは、就職・転職・アルバイトなどの人材サービスや生活情報サイトを運営している。社員の平均年齢が31歳と若く、チャレンジ精神を重視した企業風土のもと、AIツールの導入にも積極的に取り組んできた。しかし、従来導入していたAIツールでは、アウトプットが実務レベルに達しておらず、主にチャット形式でのやり取りにとどまっていたため、期待した業務効率化の効果を十分に得られなかった。資料作成やプログラムのコード作成などに多くの時間を要し、AI活用の幅を広げることが課題となっていた。
また、以前のツールでは、単一の大規模言語モデル(LLM)しか利用できず、社員からは「複数のモデルを使いたい」との声も上がっていた。さらに、1アカウントにつき1つのチャットルームしか利用できず、トピックごとの会話履歴管理が困難だった。加えて、従量課金制によるコスト管理の煩雑さも生産性低下の要因となっていた。
こうした課題を踏まえ、AIツールの切り替えを検討。AI部門、セキュリティ部門、コーポレートIT部門による横断的な評価チームを組織し、「セキュリティ・ガバナンス体制」「機能性と操作性」「価格」の観点から4社のサービスを比較した。その結果、データ利用やログ出力、アカウント管理が自社基準に適合し、複数チャットルームや複数LLMの活用、API連携が可能で、予算内に収まるJAPAN AI CHATを選定した。
導入後は、ChatGPT、Claude、Geminiの3つのLLMを用途に応じ使い分け、記事制作や資料作成、新規事業アイデア出しなどAI活用の幅が広がった。特にClaudeは文脈理解や長文生成に優れ、求人原稿作成などで活用されている。生成AIで作成したコンテンツは最終的に人間がチェックするフローを組み込むことで、文章の質を担保している。資料作成やプログラムコード作成の作業時間は、従来の4〜5時間から1〜2時間へと短縮された。
また、複数のチャットルームを同時に活用できるようになり、トピックごとに会話履歴を振り返ることが可能となった。これにより、従来の「1つのルーム内で別のトピックを扱いたい」という不満や問い合わせはなくなった。新規事業企画や提案プロジェクトでは、プロンプトテンプレート「かべうちくん」を全社で共有し、社員が多くのアイデアを出せる環境も整備された。
現在、約1200名の社員がJAPAN AI CHATを日常的に活用しており、業務効率が大きく向上したことで、より高品質な成果物の創出につながっている。社内ではAIの普及活動が進み、何かあればAIに相談する文化が広がっている。デジタルテクノロジー戦略本部ビジネスソリューション2課の碓氷課長は、「JAPAN AI CHATの導入で働き方が根本から変わった。今後はデータ連携やAPI、画像生成などの技術を活用し、JAPAN AIツールのポテンシャルを最大限に引き出していきたい」と述べている。
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