滋賀県豊郷町は、国の登録有形文化財「豊郷小学校旧校舎群」において、AI顔認証技術を活用した来場者属性分析を開始した。4月28日、システムの設置・運用を支援するNTTデータ ルウィーブと、AI顔認証技術を提供するサイバーリンクが共同で発表した。人流を可視化することで観光経営の高度化を図り、効果的な誘客プロモーションの立案につなげる。
ヴォーリズ建築で知られる豊郷小学校旧校舎群は、アニメ作品のモチーフになったことで「聖地巡礼の地」として高い人気を誇るほか、映画やドラマのロケ地としても親しまれている。一方で、同町は戦略的な誘客に向けた来場者数などの現状把握において、正確かつ継続的なデータ取得が難しいという課題を抱えていた。
今回のプロジェクトでは、サイバーリンクのAI顔認証システム「FaceMe Security」を採用した。豊郷小学校旧校舎の正面入口や観光案内所、最寄り駅の豊郷駅にシステムを設置。来場者の推定年代や性別、人数、時間帯などのデータを取得し、「属性×人流」を分析する。実施期間は4月29日から9月30日までの約5カ月間を予定している。今回の調査で取得するデータは統計的に処理され、個人を特定する目的では利用されない。プライバシーに十分配慮した運用が行われる。
NTTデータ ルウィーブは、金融やエネルギー分野で培った知見を活かし、システムの設置からデータの集計・解析までを総合的にサポートする。得られた分析結果は、聖地巡礼層を含む来場者の傾向把握や、属性に応じた情報発信、イベント企画の検討などに活用される。なお、取得データは統計的に処理され、個人を特定しないなどプライバシーに配慮した運用を行う。
今後は、今回の取り組みを観光DXの先進事例として位置づけ、他の文化財施設や観光エリアへの展開も視野に入れる。人流データを活用した持続可能な観光地経営モデルを構築し、地域の活性化を一層推進していく。