ケン・ホテルマネジメントキャビン北海道は、ホテル設備管理業務の効率化を目的に、アルダグラムの現場DXサービス「KANNA」を採用した。11月26日、アルダグラムが発表した。複数店舗で発生する設備の不具合報告から修繕対応、親会社への請求業務までをリアルタイムで連携できるようにした。バックヤード業務の工数を削減し、請求処理までのリードタイム短縮につなげている。
同社は北海道内で複数のホテルを運営している。各施設では日常的に設備の不具合が発生しており、これまでは電話やメール、緊急時以外は「不具合報告書」を作成して本部へ報告していた。しかし、担当者の入れ替わりなどで報告フォーマットが統一されず、必要な情報の不足により、本部と各施設の間で事実確認のやり取りが頻発していた。また、現場の設備員は撮影した写真を事務所のPCに取り込み、Excelに貼り付けて送付する手間が発生しており、本来の保守点検業務を圧迫していた。施設数の増加に伴い報告件数も増え、限られた人員での運用に限界が生じていた。
こうした課題を解決するため、現場スタッフが無理なく運用できるツールとしてKANNAの導入を決めた。選定にあたり、ITツールに不慣れなスタッフでもスマートフォンから写真を撮影し、必要事項を入力するだけで報告が完結する直感的な操作性を評価した。また、自社の業務フローに合わせて報告書の必須項目や選択項目を柔軟に設定できる点も採用の決め手となった。
KANNAの導入により、現場では不具合発見時にその場でスマートフォンから報告が可能になった。写真の取り込みやExcelへの転記作業といった事務作業が不要になり、本部も各施設の状況をリアルタイムで把握できるようになったため、修繕判断が迅速化した。事務担当者も現場からの情報を基に、速やかに修繕報告書を作成できる体制が整った。
業務プロセスの改善により、親会社への工事費用請求書作成にかかるリードタイムが大幅に短縮され、経理処理の安定化にも寄与している。また、報告フォーマットが統一されたことで担当者ごとの記載内容のばらつきが解消された。新任スタッフでも一定の品質で報告業務を行えるようになり、複数施設にまたがる運営において情報共有の精度向上とバックヤード業務の標準化を実現している。