ニット製品の企画・販売を手掛けるジム(gim)は、アパレル業務に特化したkintoneベースの新基幹システム「アパレルの達人」を採用した。1月13日、システムの導入を支援したプレスマンが発表した。老朽化した従来システムからの脱却を図り、アパレル特有のSKU単位(サイズ・カラー別)での在庫管理と業務フローの再設計を推進する。正確なデータに基づく意思決定の迅速化と、営業利益までを可視化するデータドリブン経営の確立を目指す。
ジムは1965年創業のアパレルメーカーで、百貨店向け卸売やBtoC事業を展開している。同社では、約20年間にわたり稼働してきた旧基幹システムの老朽化が深刻な課題となっていた。特に、アパレル業界の在庫管理において不可欠なSKU単位での管理ができず、現場ではExcelを用いた手動のデータ更新が常態化していた。このため、在庫や経理の現状を把握するまでに多大な時間を要し、経営における意思決定の遅れを招く要因となっていた。
システム刷新にあたり同社は、アパレル特化型のパッケージシステムも比較検討したが、最終的にプレスマンが提供するkintoneベースのシステムを選択した。選定の決め手となったのは、将来的なSaaS連携やアプリ拡張の自由度が高い点に加え、現場の従業員が自走して運用できることによる属人化の解消、そして単なるシステム置換にとどまらず、根本的な業務フローの見直しを並行して実施できるパートナー体制を高く評価したためだ。
新システムへの移行により、従来は一部の担当者しか触れることができなかった「ブラックボックス化」した運用から、誰もが必要な情報へアクセスできる環境へと変化しつつある。現在は現場への定着を図る過渡期にあり、システム完成度は75~80%程度となっている。2026年3月にはSKU単位での棚卸結果を新システムへ反映させる計画で、これを起点として正確な在庫管理に基づく企画やマーチャンダイジング(MD)の精度向上を本格化させる。
今後は、kintoneに蓄積されたデータを活用し、売上だけでなく販管費を差し引いた「営業利益」を部門長クラスがリアルタイムで把握できる体制を構築する。さらに、kintoneをデータ基盤、AIをユーザーインターフェース(UI)として組み合わせることで、現場の作業負担を軽減しながら、ファクトに基づいた高度な経営判断を行える組織づくりを目指す。
ジムの取締役副社長である八木原雄介氏は、「以前は在庫や経理の数字を出すのに時間がかかり、現状把握が困難だった。今後は売上や仕入、労務費などを一元管理し、部門別の営業利益を可視化したい。経営目線を社長だけでなく部門長も持ち、データに基づいたスピーディな意思決定ができる組織に変えていきたい」としている。