ファナックは、2030年に向けた次世代基幹システムの刷新において、業務データ連携の管理を支えるAPIマネジメント基盤として「Kong Konnect」を採用した。4月15日、APIおよびAIコネクティビティ技術を手掛けるKongが発表した。モノリシックな構造から脱却し、データとアプリケーションを分離する疎結合型アーキテクチャへの移行を推進することで、デジタル基盤の柔軟性と持続性を高める。
ファナックのIT本部業務システム部では、2030年までの中期目標を掲げ、基幹システムのモダナイゼーションを進めている。これまでのシステム運用では、データベースの直接参照やFTPによるファイル連携、個別API連携といった異なる方式が混在しており、全社的な統制や運用管理に課題を抱えていた。次期システム構想では、APIを単なる技術要素ではなく、企業活動を支える重要なデータ資産と位置づけ、適切なガバナンスを整備することが優先課題となっていた。
Kong Konnectの選定にあたっては、オンプレミスとクラウドが混在するハイブリッド環境を単一プラットフォームで統合管理できる点が評価された。また、Kubernetes上のAPIだけでなく、SaaSやパッケージ製品のAPIも一元管理できる包括性も決め手となった。さらに、設定をコードで管理するGitOpsとの親和性が高く、モダンな運用モデルを構築できる点や、日本法人の設立による国内サポート体制が充実していることも、エンタープライズ用途での採用を後押しした。
導入により、増え続けるAPIの可視化と、共通ルールに基づく一元的な運用体制の構築が期待されている。認証やセキュリティ、流量制御といった共通仕様をプラットフォーム側に集約することで、各アプリケーションが個別に機能を実装する負荷を軽減し、開発効率と保守性の向上を図る。これにより、APIを「データ資産」として継続的に活用できる基盤を整えるとともに、将来的な保守コストの抑制につなげる。
ファナック常務理事兼CIO兼CISOでIT本部長を務める尾原丈太郎氏は、ハイブリッド環境におけるAPI管理の標準化やガバナンス強化を実現できる仕組みを検討してきたと述べている。今回採用したKong Konnectを活用し、柔軟で持続性のあるデジタル基盤の整備を進めていく。今後はAPIの体系的な整理とカタログ化を進め、品質管理と利用状況の把握を徹底することで、ものづくりを支えるデータ流通基盤の高度化を加速させる。