味の素は、食品研究所における研究開発の予算管理業務の効率化を目的に、ログラスが提供するクラウド経営管理システム「Loglass 経営管理」を採用した。6月19日、ログラスが発表した。実績管理の仕組み化と集計から報告までの一気通貫化により、これまで約1週間を要していた月次報告の準備期間を約2日に短縮した。
味の素の食品研究所は、食品と健康に関わる製品開発や研究を担う組織で、約400名の研究員が在籍している。同研究所では年々研究員が増加しており、それに比例して予実管理の業務量が増大していた。しかし、管理体制はわずか2名のまま据え置かれており、担当者の業務負荷が深刻な課題になっていた。
従来の予算管理は、必要な情報が各所に散在し、各グループからExcelやメールで届くデータを手作業で集計していたため、月次報告の資料作成に約1週間、四半期ごとの予算策定には約1カ月を要していた。また、解析用のExcel、上長向けのWord、食品事業部全体の管理用フォーマットで項目の粒度や表現が統一されていなかったほか、各グループ長に基幹システムのIDが付与されていないため、予算実績の詳細が現場まで伝わりにくいという構造的な問題もあり、業務が完全に属人化していた。
システム選定にあたり、実績の表示から上位層への報告までが一つのツール上で完結し、情報が一気通貫で流れる点を評価した。さらに、既存の基幹システムと連携してデータを自社独自の集計レイヤーに変換できることや、上長ごとに異なっていた項目体系を一本化できる点も採用の決め手になった。
導入プロセスは三つのフェーズに分割して進められた。第1フェーズの実績管理構築では、基幹システムの勘定体系と独自レイヤーの紐付けを推進。マスタの紐付け作業において、難所となった各科目の分解と結合はログラスのカスタマーサクセスによる伴走支援を受けて構築した。また、上長が交代するタイミングを活用して報告フォーマットの一本化も同時に完了させた。
導入効果として、月次定例の報告準備期間が大幅に短縮され、定例会議自体をより早い時期に開催できるようになった。従来のWordによる報告書作成を廃止し、会議ではツールの画面をそのまま提示して一画面で状況を把握できる体制を整えた。管理体制は2名のまま維持しながら、増大する業務量の吸収を成功させている。さらに、10を超えるグループのグループ長へアカウントを付与してデータを可視化したことで、現場の予算管理に対する意識が向上。複雑な基幹システムの勘定科目による費目の付け間違いをグループ長自身が発見し、グループ内で修正が完結するようになった。
現在は第2フェーズとして、外部門からバラバラな形式で届く予算や見込み情報の一括取り込みを進めている。今後は、非財務データとの連携による分析の高度化を目指す第3フェーズを並行して推進し、R&Dの費用対効果を可視化する指標づくりに取り組む計画だ。研究投資の意思決定を高度化し、経営層が掲げるアジャイルな研究開発経営への貢献を目指す。