タダノシステムズ、ローコード開発プラットフォームMagic xpaで生産管理システム改修

2025年9月8日21:51|ニュースCaseHUB.News編集部
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 タダノシステムズは、ローコード開発プラットフォーム「Magic xpa」を活用し、協力工場18社の生産管理システム改修を短期間で実現した。9月8日、同製品を提供するマジックソフトウェア・ジャパンが発表した。同社は、多様な業務フローや取引ルールに対応できる柔軟なシステム基盤を整備することで、サプライチェーン全体の競争力強化や、協力会社との共創的なものづくりを支える。

 タダノシステムズは、建設用クレーンでトップシェアを誇るタダノのグループ企業で、基幹システムやITインフラ開発・運用などを担っている。同社は、グループおよび協力会社のIT戦略を担う中で、製造業特有の多様な業務フローや取引ルールへの対応、現場の改善要求を継続的に反映する仕組みの構築を課題としていた。

 こうした背景から、タダノシステムズは1990年代半ばからMagic xpaを開発基盤として採用している。選定にあたっては、改修のしやすさと現場への適応力を評価した。また、データモデルの管理や画面部品の再利用が容易なため、IT専任者がいない工場でも運用できる点を重視した。

 Magic xpaを活用した生産管理システムは、協力工場とのサプライチェーンを支える基盤として稼働している。2006年の基幹システム刷新では、協力工場18社分の生産管理システムを同時改修。規模の大きな工場で約1カ月、最短で数日という短期間で完了し、他の開発言語では半年以上かかる工数を大幅に削減している。

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Magic xpaで開発・展開する生産管理システムの概要

 同社ITビジネス部長の木田敏博氏は、「私たちが向き合っているのは協力工場の皆さまだ。工場ごとのやり方や文化に合わせ、現場と共にシステムを育ててきた」と述べている。さらに、「OSや環境が変わってもシステムを継承できるのはMagic xpaならではの強みだ」とした上で、今後も自動化や省力化を進め、人手不足といった新たな課題に対応していく考えを示した。

 Magic xpaの導入で、一元管理機能で仕様変更時の影響範囲を可視化しながら、ユーザーと要件を詰めるプロトタイピング開発も可能になった。これにより、協力工場ごとのニーズに対応し、部品点数の増加やトレーサビリティの強化にも柔軟に対応できているという。

ニュースリリース