ポーターズは、クラウドサービスの機能拡張に伴うテスト工数の削減とリリース速度の向上を目的に、AIテスト自動化プラットフォーム「MagicPod」を採用した。6月16日、MagicPodが発表した。ベトナムのオフショア企業と外部パートナーを交えた体制構築により、約3万件にのぼるフルテストの実行期間を3カ月から約2週間へと短縮し、開発を止めずに安定したサービス提供を継続できる環境を整えた。
人材ビジネス向けクラウドサービス「PORTERS」を展開する同社では、継続的な機能拡充に伴ってマニュアルテストの工数が肥大化していた。特にセキュリティ維持に不可欠なミドルウェアのバージョンアップ時には、全体テストに3カ月を要することからその間の新規リリースが停止してしまうことが課題となっていた。過去にソースコードを用いた自動テストの構築を試みたものの、メンテナンスの負担から運用が定着しなかった経緯があり、現場に定着しやすく柔軟にテストを回せる仕組みを求めていた。
複数のツールを比較検討した結果、リリースの高頻度化やセキュリティアップデートに対応できる「テスト実行回数が無制限」である点を評価した。また、複雑なスクリプトを必要とせず現場のテスターが継続的にメンテナンスを行える運用性の高さが決め手となり、2023年11月に導入を決めた。
導入初期はマニュアルテストの項目をそのまま置き換えようとしたことで、軽微な仕様変更によるエラーが頻発し立ち上がりに苦戦した。そこで、専門ノウハウを持つベリサーブを外部パートナーとして迎え、テスト設計の観点から見直しを実施。テスト手順の最適化や効率的な更新方法を採り入れた。この伴走支援を通じて、実務を担うベトナムのオフショア企業「VNEXT」のメンバーへ自動テストのノウハウを確実に移管し、現在はマニュアルテストチーム13人と自動テストチーム4人が相互に連携して自走する運用体制を確立した。
導入の効果として、1回あたり約600万円を要していたフルテストの人件費が約100万円にまで抑制され、500万円のコスト削減を達成した。実行結果の画面にはエラー箇所のスクリーンショットが残るため原因特定が容易になったほか、エラー発生時もテストを中断せず続行できる機能により柔軟な運用が可能となった。また、プログラムのミスが重大なリスクにつながるメール送信や外部データ連携の領域においても、夜間や休日を利用して自動でテストを回すことで、デグレーションの発生を早期に検出できるようになった。
同社では、リリース前だけでなく日常のプロセスにテストを組み込んだことで、テストを特別な作業ではなく開発の一部として位置づける意識の変革も進んでいる。今後は、属人化しがちな膨大な機能の品質担保を自動テストに委ねつつ、さらに迅速かつ安心して良い製品を顧客へ届けられる体制を強化していく。