小田原市は、NECと日本街路灯製造と連携し、観光地の周遊促進と市民の安全安心な暮らしの実現を目的に、スマートポールを導入した。2024年3月1日から小田原市と小田原駅前商店会、お堀端商店街振興組合が共同で運用管理を開始する。
小田原市は、小田原城を中心とした市街地を住民、観光客でにぎわう多拠点ネットワーク型のHub拠点として形成し、地域がつながる「Well-Being」の高い街を目指している。今回のスマートポール導入は、その目標を実現するための施策「デジタルブラブラ城下町」の一環として、令和5年度デジタル田園都市国家構想交付金に採択されている。
スマートポールは、小田原城正規登城ルートの小田原駅東口駅前通りから、お堀端通りに9本設置された。人流カメラやディスプレイなどを搭載し、通行人の人流分析に基づいた最新の観光情報や属性に応じた広告の発信、災害時の避難情報発信、児童の見守りなどの機能を持つ。
今回のスマートポールの導入にあたり、NECのスマートポール管理クラウドと自治体向けデータ連携基盤の構築実績、日本街路灯製造の商店街灯やスマートポールの設計、施工実績を生かし、信頼性や機能性を確保しつつ小田原城下町をイメージした「小田原提灯」を模したデザインを採用した。
スマートポール導入による主な効果は、以下の点となる。
1.観光地の周遊性促進:人流カメラで取得した年代や性別などの情報を分析し、マーケティングやまちづくり施策に活用する。ディスプレイに周辺のお店情報やクーポン、イベントなどの観光情報や属性に応じた広告を発信し、地域ポイントアプリと連携してにぎわいを創出しエリアの周遊性を高める。
2.市民の安全安心な暮らしのサポート:災害時にはスピーカーやディスプレイを活用し、災害情報や避難情報を提示する。それにより、市民や観光客の迅速で安全な避難誘導を実現する。スマートポールは衛星通信にも対応しており、非常時の通信環境も確保できる。また、小田原市が市内の小学生に配布している見守りタグの見守りスポット機能を搭載し、保護者がアプリケーションで子どもの位置を確認するのにも使える。
これらの機能は、NECが2023年度から小田原市に提供している「FIWARE」を活用したデータ連携基盤を介し、スマートポールと人流解析システムや防災情報、観光情報の発信など、小田原市が運用する各種システムやサービスと連携して実現している。
【ニュースリリースURL】
https://jpn.nec.com/press/202403/20240301_01.html