住友商事グループ、NECのAI外観検査システムで工場の生産性向上

　住友商事のグループ会社では、自動車製造関連工場の中間製品検査工程に、NECのAIを活用した外観検査システムを導入した。2023年8月25日、NECが発表した。

　同工場の中間製品検査ラインでは、製品欠陥の疑いを検知するごとにラインを停止し、専任スタッフが目視で確認して安全かつ高品質な製品を提供してきた。しかし、ものづくり現場の人手不足が深刻化するなか、従来と同等の品質を維持しながらデジタル技術を活用した生産性向上が課題となっていた。

　そこで、既存の検査ラインに影響を及ぼさない位置に産業用カメラを追加で設置し、複数のカメラ画像と「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」を活用して、中間製品の欠陥を解析する外観検査システムを構築した。これにより、欠陥検知の精度を高めるとともに、正常箇所を欠陥と誤認識してしまう過検出の発生頻度を抑制し、中間製品検査ラインの停止時間を10％以上減少している。また、スタッフが欠陥を確認するためのユーザーインターフェースなど各種アプリケーション、ツールも提供され、中間製品検査プロセスの高度化にも貢献している。

　AIモデルの基本的なメンテナンスから運用までを推進できるデータサイエンティストの育成支援には、NECが自社のデータサイエンティスト育成に活用している実践型教育プログラムである「NECアカデミーfor AI」も提供している。これにより、多品種の検査に対応できる体制も構築している。

ニュースリリースURL
https://jpn.nec.com/press/202308/20230825_01.html