東京ガス、Notion AIで情報共有を高度化 300名規模へ拡大し年間20時間削減

2025年12月24日15:40|ニュースCaseHUB.News編集部
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 東京ガスは、情報共有の効率化と業務の透明性向上を目的に、コラボレーションソフトウェア「Notion」およびAIアシスタント「Notion AI」の利用を拡大した。12月23日、Notionを提供するNotion Labs Japanが発表した。これまで一部の内製開発チームで活用してきたが、AIによる検索性の向上や業務効率化の成果が実証されたため、10部署300名規模への展開を開始した。利用者1人あたり年間20時間以上の業務時間削減を見込んでいる。

 東京ガスのリビング戦略部では、会員サイト「myTOKYOGAS」を開発する約50名規模の内製開発チームが、2021年からNotionを導入していた。従来はファイルサーバーやExcelを中心にプロジェクト管理や情報共有を行っていたが、情報が散在し非効率な状態だったという。アプリの内製開発開始を機に、オンボーディング資料や業務マニュアル、開発のプロダクトバックログアイテム(PBI)管理までをNotionへ集約し、チーム単位での情報整理・共有体制を確立してきた。

 今回、さらなる利用拡大を決定した背景には、高度なセキュリティ要件やガバナンスへの対応が必要になったことに加え、Notion AIによる検索性の向上が大きな成果を上げたことがある。同社は2025年11月末に、より管理機能が充実したエンタープライズプランへ移行し、活用の場を10部署へと広げた。

 Notionの導入により、情報の正確性と意思決定のスピードが大幅に向上した。新しい部署に加わったメンバー向けの資料や用語集をNotionに集約したことで、誰もが資料を更新・修正できる仕組みが整い、組織全体で常に最新の情報が共有されるようになった。また、プロジェクト単位の情報を統合したことで、従来のメールやExcelによる管理に比べ、進捗確認や判断に要する時間が短縮された。

 特にNotion AIの活用は、情報を探す時間の削減に寄与している。業務マニュアルやプロジェクト情報を横断的に検索できる環境が整ったことで、業務プロセス自体がNotion上での情報共有を前提としたものへ変化した。現場からは「Notionがなければ仕事ができない」という声が上がるほど定着が進んでいる。

 今後は、Notion Labs Japanによるカスタマーサクセスの支援や社内でのノウハウ共有を通じて、各部署での活用をさらに推進する。情報の透明性を高め、組織全体の生産性向上を加速させていく方針だ。

 東京ガスリビング戦略部デジタルプロダクト推進グループマネージャーの及川敬仁氏は、拡大導入によって必要な情報にすぐアクセスできる環境が整い、業務効率と透明性が着実に向上していると評価している。多様な職種のメンバーの知見が即時に共有・反映されることで、組織全体の学習サイクルも加速したとし、今後も顧客への価値提供をより高めていきたいと話している。

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