日本郵船、OutSystemsでアプリ開発基盤を刷新 開発工数を最大5割削減

2026年1月14日19:07|ニュースCaseHUB.News編集部
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 日本郵船は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するアプリケーション開発基盤として、OutSystemsジャパンが提供するローコードプラットフォーム「OutSystems」を採用した。1月14日、OutSystemsジャパンが発表した。AIを活用した開発環境により、既存業務システムの刷新を迅速化し、開発工数を最大で50%短縮した。今後はグローバル展開を見据えたITインフラのモダナイズ(近代化)をさらに加速させる。

 日本郵船は、中期経営計画に基づき、海運を中心とした総合物流事業の変革とデジタル基盤の整備を強力に推進している。従来は、現場の業務改善には他社のローコードツールを、高度なシステム構築にはJavaによるスクラッチ開発を使い分けていた。しかし、さらなるDX推進に向けて、複雑なシステム連携が可能な機能性と、グループの厳格なセキュリティ要件を満たす汎用的な開発基盤が課題となっていた。

 OutSystemsの選定にあたっては、すでにグループ会社で船員向け電子通貨プラットフォームを短期間で構築した実績がある点を評価した。また、直感的な視覚インターフェースにより、経験の浅い人材でも短期間で習得できる点も採用の決め手になった。実際にJavaでは3カ月の研修を要していた開発工程が、OutSystemsでは約1カ月の独学でアプリ作成が可能になった。

 導入後は、五つの事業部門で約30のアプリケーションを展開している。最初に手掛けた貨物船の引き合い情報管理システムの刷新では、主要な20の機能を共通部品化した。これにより、従来のスクラッチ開発と比較して全行程で3割、開発工程のみでは最大50%の工数削減を達成した。さらに、基幹システムであるSAP S/4HANAとの連携においても、コア機能をカスタマイズせずに柔軟なフロントエンドを構築できる「クリーンコア」の思想を実現している。

 開発プロセスでは、実機に近いモックを即座に作成できるラピッドプロトタイピングを活用している。これにより、要件定義の段階からユーザー部門と完成イメージを共有できるようになり、認識のずれを防ぐとともに、現場のニーズを反映した柔軟な開発が可能になった。現在はグループ5社で1500名以上の従業員がシステムを利用しており、情報の共有効率やユーザー体験(UX)も向上している。

 今後は、内製開発体制をさらに強化し、契約書のライフサイクル管理システムなど、より広範な業務への適用を目指す。また、シンガポールをはじめとする海外拠点への展開も検討していく。

 日本郵船DX推進グループの田中鉄也氏は、「OutSystemsは、部品の共通化による効率向上など、使えば使うほど真価を発揮する。グローバルな知見の提供も大きなメリットであり、今後もITインフラのモダナイズと業務変革を推進していきたい」としている。

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