ニッセン・クレジットサービスは、クラウドPBX・コールセンターシステム「Omnia LINK」を採用した。9月2日、同製品を提供するビーウィズが発表した。従来のオンプレミスシステムが保守期限を迎えるにあたり、システム刷新とコスト削減を目指してクラウドへ移行。インバウンドとアウトバウンドのシステムを統合して運用を効率化し、架電接続率を4%向上させた。
ニッセン・クレジットサービスは、「ファッション通販のニッセン」の公式クレジットカード事業を手掛けており、カスタマーサービスセンターが顧客サポートや販売促進、債権管理などの業務を担っている。同社は、2025年にサポートが終了するオンプレミスシステムからの入れ替えを検討。ベンダーから提示された金額が想定を上回ったため、クラウドシステムも候補に加え、システム機能の維持とIT維持費の抑制を考慮してOmnia LINKを選定した。
システム選定にあたり、ニッセン・クレジットサービスは3カ月間のフィジビリティスタディ(実現可能性の調査)を実施。Omnia LINKが従来のシステムと遜色ない機能を持ち、基幹システムとのCTI連携や自動架電機能などの要件を満たすことを確認した。また、トータルコストがオンプレミスシステムと比較して大幅に下がることも決め手となった。
1年弱の構築期間を経て、2025年2月よりOmnia LINKの利用を開始。従来は別々のシステムで運用されていたインバウンドとアウトバウンドの業務がOmnia LINKに統合され、管理や研修を含む業務効率が向上した。通話音声のリアルタイムテキスト化機能により、複数のオペレーターの通話内容を同時にモニタリングできるようになったため、適切なフォローが可能になり、顧客からの問い合わせに対する迅速な解決につながっている。また、オペレーターが心理的負荷を感じるフレーズを登録し、スーパーバイザーが即座に察知できる「キーワードアラート」機能も活用することで、オペレーターの心理的安全性確保にも貢献している。
債権管理業務では、アウトバウンドダイヤラー機能により戦略的な架電が可能になった。呼び出し秒数を変更する機能により、多くのリストへ架電する際は短く、接続率を上げたい場合は長く設定するといった使い分けが可能になり、架電接続率が4%向上したとしている。
ニッセン・クレジットサービスの取締役でカスタマーサービスセンター長の川添和人氏は、「どれだけDXが進んでも、リアルタイム性や双方向性、そして安心感という電話のメリット、電話というチャネルに対するニーズは変わらないだろう。単に呼量を減らすのではなく、チャネルを最適化して利益に寄与することが理想だ」と語っている。