コマニーは、PLM(製品ライフサイクル管理)システム「Aras Innovator」を活用し、設計業務の効率化を進めている。8月31日、導入を支援したコアコンセプト・テクノロジー(CCT)が発表した。CRM(顧客情報管理システム)とPLMの連携により転記ミスの確認作業を削減した。今後は3D CADへの移行やBOM(部品表)の整備を進め、ものづくり全体の改革につなげる。
コマニーは石川県小松市に本社を置くパーティションなどの建具メーカー。オフィスや学校、病院、商業施設など多様な空間に向けて「間づくり」事業を展開している。同社は量産品ではなく個別受注生産を行っており、顧客ごとに異なる仕様に合わせて毎回設計と製造を行っている。
同社ではこれまで、部門ごとに業務改善が進められた結果として個別最適が生じ、社内に点在する業務プロセスの分断やデータの散在が課題となっていた。設計業務においては、顧客承認を得るための「施工図設計」と製造現場へ指示を出す「製作設計」を行うなかで、情報が一元管理されていないために営業からの依頼内容の解読やシステムへの転記ミスの確認作業などに多くの時間を費やし、設計本来の業務に集中しにくい状況が生じていた。
こうした状況を打開するため、同社は経営基盤の再構築とものづくりプロセスの抜本的改革を目指すプロジェクト「PJ-CHANGE」を始動。製品開発に関するデータの流れを整理したうえで、Aras Innovatorの採用を決めた。システム構築の支援パートナーにはCCTを選定。個別受注生産における特殊なBOMの表現に対する深い知見や、現場の要望を丁寧に汲み取る提案体制を評価した。
プロジェクトの第1段階としてAras Innovatorの稼働を開始し、CRMとPLMを連携させた。これにより、営業部門からの作図依頼における転記ミスを確認する手間が削減されたほか、データの検索性向上により作業スピードも改善した。また、システム移行を通じて各部門の従業員に業務改善への意識が浸透するなど、組織風土の変化も見られている。
続く第2段階では、BOMの再整備や2Dから3Dへの設計移行を進め、設計から製造までデータを一気通貫で連携する仕組みを整える方針だ。コマニー設計本部本部長の諸田直行氏は「情報をしっかりとつないだものづくりを実現したい。設計における3D CADの活用やBOM、PLMの連携を進めることで、顧客の要望を具現化するという本来の設計業務に注力できる環境を整えていきたい」としている。