出光興産、製造拠点のデータ一元化で業務効率化

2024年11月27日22:19|ニュースCaseHUB.News編集部
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 出光興産は2024年11月27日、石油精製・化学品製造を行う4拠点で産業向けDataOps基盤「Cognite Data Fusion︎(CDF)」の導入を完了したと発表した。同社は、各拠点で蓄積された装置の運転・保全データやノウハウの一元管理によるデジタル化を進め、情報収集・分析時間の削減と意思決定の高度化を目指す。

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CDF利用イメージ

 出光興産では、これまで担当者が装置の運転や保全業務の計画を立てる際に、必要なデータを個別に収集する必要があり、時間と手間がかかっていた。CDFは、プラントの多岐にわたるデータをAIや機械学習を用いて連携できるCognite社製のデータ管理基盤。導入により、4拠点のP&ID(配管計装図)、補修履歴、運転データ、設備図面、ヒヤリハット・事故情報など、多様なデータを統合データベース上で一元管理できるようになった。

 現在、約1万枚のP&IDデータが集約されており、P&IDを起点に補修履歴、運転データ、設備図面など600万件以上のデータを瞬時に確認できる。今後は約3000人の従業員がCDFを使用する予定だ。

 出光興産 生産技術センター長の鳳城延佳氏は「製造4拠点でのCDFの導入は、拠点の垣根を越えた知見・アイデアの共有、潜在的なリスクなどに気づく土台となり、生産性向上・顧客価値向上、そしてやりがいのある職場づくりに寄与すると考えている」とコメントしている。

 北海道製油所機械課長の小笠原利文氏は「CDFは、P&IDをクリックするだけの簡単な操作で目的のデータにアクセスできるため、若手の設備エンジニアでも直感的に使うことができ、現場の作業効率が向上していることを実感している」と、導入効果を高く評価している。

ニュースリリース