一般社団法人シェアリングエコノミー協会は、加盟企業の安全かつ安心なサービス環境構築を目的に、リスクチェックツール「RiskAnalyze」を採用した。2025年5月30日、RiskAnalyzeを提供するKYCコンサルティングが発表した。
シェアリングエコノミー業界は、カーシェアリングや高額物品の貸し出しなど、利用者と事業者間の信頼性確保が業界全体の課題となっている。事故やトラブル発生時に事業者だけでなく業界全体の信用が損なわれるリスクがあり、利用者の信頼性を事前に把握できる仕組みの導入が求められていた。同協会ではこれまで外資系リスクチェックツールを活用していたが、操作性の煩雑さや手間の多さに課題を感じていた。
RiskAnalyzeの導入にあたり、同協会では操作性や信頼性の高さを重視した。従来ツールはタブ遷移や別画面での詳細情報確認が必要だったが、RiskAnalyzeはCSVファイルのアップロードだけで一括検索が可能となり、作業負担が大幅に軽減された。協会事務局長・法人事業部長の牧島弘樹氏は、「操作がシンプルで手間がほとんどかからず、待ち時間も少なくスムーズに作業を進められる」と評価し、「これまでと比べて体感では作業時間が10分の1以下に短縮された」としている。
現在、同協会では毎月およそ10社前後の新規入会企業に対しリスクチェックを実施しているほか、約350社の加盟企業に対し年2回の定期スクリーニングを実施している。年間800件超のチェック作業も瞬時に完了し、運用負担はほぼゼロとなった。牧島氏は「以前は煩雑さのため年1回の実施が限界だったが、RiskAnalyzeにより年2回のチェックも可能になった」と述べている。
リスク管理における明確なNG基準は設けていないが、「何の対策もないまま問題が起きるのと、事前にリスク対策を講じた上で万が一が起きるのとでは信頼性やその後の対応に大きな差が出る」との意識を業界全体で共有している。また、内閣官房が中心となり策定された「シェアリングエコノミー・モデルガイドライン」を参考に、加盟事業者が自社サービスを自己点検し、一定の基準を満たしているか確認できる体制を整えている。
同協会はRiskAnalyzeを会員企業にも積極的に紹介しており、共同セミナーや啓発活動を通じて業界全体のリスク管理意識向上を図っている。牧島氏は「保険が転んだ後の備えだとすれば、RiskAnalyzeは転ばないようにするための仕組み。こうしたツールが業界の信頼性を支える上で非常に大きな役割を果たしている」とコメントしている。
今後、同協会では運用のさらなる効率化を目指す。登録企業のリスク情報がリアルタイムで自動更新される仕組みが実現すれば、定期的なスクリーニング自体が不要になる。そのためにも、RiskAnalyzeの機能向上が期待されている。
#RiskManagement #SharingEconomy #ComplianceTool #KYC #BusinessSecurity