大日本印刷、製造業の文書構造化を高度化 非構造化データの利活用を加速

2026年3月24日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 大日本印刷(DNP)は、独自開発の生成AIサービス「DNPドキュメント構造化AIサービス」を強化する新たなソリューションの提供を開始した。システム基盤として、Oracleの自律型データベース「Oracle Autonomous AI Database」などを採用した。3月23日、日本オラクルが発表した。非構造化データの構造化からAI活用までを一貫して実現し、製造現場の知見をナレッジ資産として可視化・再活用できる環境を整えた。

 企業内には技術文書や業務マニュアル、設備設計書、報告書など多大なノウハウが蓄積されているが、その多くはPDFや画像などの非構造化データとして個人や部門に分散している。これらを生成AIで活用するには前処理に多大なコストと時間を要するため、業務効率化や意思決定の高度化を妨げる要因となっていた。

 特に製造業においては、設備稼働データや点検レポートといった重要データが十分に活用されず、熟練者の経験に依存した暗黙知が組織として蓄積されにくい課題があった。データが蓄積されていても、生成AIで活用するための専門知識や検索に要する時間が、属人的な運用の障壁となっていた。

 こうした背景からDNPは、企業内の非構造化文書を生成AIが理解しやすい「AIリーダブルなデータ」に変換するDNPドキュメント構造化AIサービスを提供してきた。今回の機能強化では、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上のOracle Autonomous AI Databaseと生成AIサービス「OCI Generative AI」を採用。これにより、ベクトル検索による高度な情報検索と、既存の業務データをSQLで統合的に扱うことが可能になった。また、ローコード開発ツール「Oracle APEX」を活用し、チャットボットやAIエージェントの実装効率も高めている。

 DNPは、厳格なセキュリティを求める企業向けにオンプレミス環境でのソリューションも提供しているが、今回の新ソリューションではクラウドならではのスケーラビリティと高速処理を実現した。自動アップデートにより最新のAI機能を継続的に利用できるほか、初期投資を抑えたスモールスタートも可能になり、大規模活用や全社展開を迅速に進められる。

 Oracle Autonomous AI Databaseの採用により、運用管理を自動化しながらベクトル検索や分析処理を単一のデータベース上で実現した。これにより、プラットフォーム構築や追加開発のコストを抑えつつ、データ更新や拡張にも柔軟に対応できる。また、特別なITスキルがない担当者でも、自然言語による検索や対話型操作が可能な「Autonomous AI Database Select AI」を利用できるため、業務改善のスピードと精度向上、生産現場の最適化に寄与する。

 DNP常務取締役の金沢貴人氏は、DNPドキュメント構造化AIサービスとOracle Autonomous AI Databaseの連携により、非構造化データの構造化からAI活用までを一貫して実現できるソリューションを提供すると述べている。DNPの文書構造化ノウハウとオラクルの高信頼なAIデータ基盤を組み合わせることで、製造現場の知見をナレッジ資産として可視化し、生成AIを業務に安心して活用できる基盤を構築して企業の競争力強化に貢献していく。

 今後、両社は本ソリューションを通じて、製造、金融、自治体など非構造化データを大量に扱う幅広い業界において、生成AIを活用した業務高度化や知識活用の支援を推進していく。

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