イトーキは、クラウド型スキルマネジメントシステム「Skillnote」を導入した。9月9日、同システムを提供するSkillnoteが発表した。開発設計者の能力要件を可視化することで、属人化しがちだった人材育成を体系化し、キャリア形成の支援とモチベーション向上を図る。
オフィス家具の製造販売などを手掛けるイトーキは、高度な開発・設計力を強みとする。しかし、開発設計部門では、OJT中心の教育が現場によって属人化し、教育内容の一貫性や習得度合いの把握が課題となっていた。若手社員からも、自分に必要なスキルを体系的に把握したいとの要望が寄せられていた。そこで、開発設計者としてのあるべき姿と能力要件を定義し、教育体系の構築に着手。しかし、表計算ソフトによる従来の運用では現場の負担が大きいことから、製造業に特化したスキルマネジメントシステムとしてSkillnoteの採用を決めた。
Skillnoteの選定理由としてイトーキは、主に3つの点を挙げている。一つ目は、直感的な操作性と視認性の良さだ。これにより、複雑な表計算ソフトからのスムーズな移行が可能であり、高い拡張性・柔軟性で自社の運用体制に合わせた利用が期待できるとしている。二つ目は、製造業に特化しており、豊富な技術伝承や人材育成の活用事例が蓄積されていること。これにより、長期的な運用への安心感を得られた。三つ目は、習得すべきスキルとキャリアパスの可視化によって、開発設計者のモチベーション向上と自発的な学習意欲を促せる点だ。
開発設計統括部 部長である横田一寿氏は、「仕事を自ら取りに行き、やりたいことを積極的に意思表示できる自律的な人材の育成を目指している」と述べ、Skillnoteを導入することで開発設計者のキャリアパスを可視化し、高いモチベーションを維持しながら働ける環境の実現を図ると話している。
また、開発設計企画室 室長の井上信治氏は、若手社員の割合が増えている現状を踏まえ、部門全体で人材像と能力要件を明確に定義することが重要だと語る。Skillnoteの柔軟なシステムに期待し、独自の運用方法を確立して若手社員の基礎力向上を実現したいとの考えを示した。
さらに、開発設計企画室の山口美寿穂氏は、若手社員の「将来的にどのようなスキルが身につくのか」「現在の自分が目標に対してどの位置にいるのか」といった成長の道筋を明確にしたいというニーズに応えることで、彼らがより意欲的に業務に取り組める環境を整えたいとコメントしている。