五島軒は、メディアリンクの自動音声応答システム「DXでんわ」を採用した。9月18日、同製品を提供するメディアリンクが発表した。月600件に上る代表電話への対応を最適化し、フロントスタッフが接客業務に集中できる環境を整えた。将来的には増加するインバウンド需要に対応するため、多言語機能の活用も検討している。
1879年創業の五島軒は、140年以上の歴史を持つ函館の老舗洋食店である。本店ではレストラン、カフェ、売店を運営しており、フロントスタッフ約3名が接客と電話対応を兼務していた。月平均600件ほどある電話に対応するため、即座の接客が難しい場面や、他拠点の販売部への問い合わせに口頭で対応するといった状況が発生していた。そこで、電話業務の効率化と従業員の負担軽減を目的に、DXでんわの導入を決めた。
DXでんわの選定にあたっては、IVR(自動音声応答システム)に精通したベンダーとしての安心感と、同製品の営業担当者が親身になって対応してくれた点を評価した。
DXでんわの導入により、販売部への電話番号案内や営業電話への対応がほぼ自動化され、電話対応件数は月あたり約80%緩和された。スタッフが直接対応すべき電話はレストランやカフェの予約に限定されたことで、接客業務に多くの時間を割けるようになった。
また、着信履歴レポート機能と通知設定機能を活用し、予約の電話に出られなかった場合でも、迅速な折り返し対応が可能になった。以前は不在着信の履歴が残らない仕組みだったため、電話の取りこぼしが大幅に減少し、予約対応業務の効率化につながっている。
五島軒 執行役員/本店営業部長/本店長の渋谷氏は、「DXでんわを導入してみて間違いなく言えるのは、よりお客様へのおもてなしや電話以外の業務により多くの時間を注げるようになったということだ。シンプルに、これまで手が回らなかった仕事に取り組めるようになっただけでなく、電話対応のための頻繁な業務中断もなくなったため、以前よりスタッフのサービス品質の向上にもつながった」と話している。
今後は、DXでんわの多言語対応機能を活用し、インバウンド需要に対応するための外国語音声案内を検討している。また、本店での効果を踏まえ、五稜郭タワー店への導入も視野に入れている。