一般財団法人調布市市民サービス公社(調布市市民サービス公社)は、クラウドシフト管理サービス「らくしふ」を採用した。同サービスを提供するクロスビットが10月10日に発表した。幅広い年齢層の見守りスタッフが関わる小学校の早朝児童見守り事業において、属人的な調整を脱却し、安定的な運営体制の確立を目指す。
調布市市民サービス公社は、東京都調布市の委託を受け、小学校入学に伴う「朝の小一の壁」解消を目的とした早朝の児童見守り活動「みまモーニング」を実施している。この活動では、各校10名から15名程度の見守りスタッフが早朝の限られた時間帯のみ交代で勤務しており、スタッフの年齢層は10代の大学生から80代までと多様だ。
従来の同公社の公共施設管理業務では、各拠点に常駐する少人数の管理員が顔を合わせながらシフト調整を行うのが一般的で、アプリやシステムは導入されていなかった。しかし、みまモーニングでは、既存施設よりも対象者が多いこと、早朝の短時間勤務であること、小学校内ではパソコンの常設が難しいことなどから、紙や口頭による調整は現実的でなくなった。そのため、誰にとっても直感的に使いやすいツールの導入が求められていた。
こうした背景から、事務局側でシフトを一元管理でき、スタッフが自身のスマートフォンから簡単に希望提出や通知確認ができる仕組みとして、「らくしふ」の採用を決めた。特に、LINEを活用した希望提出や通知配信機能、そして10代から80代までの幅広い層が特別な教育なしに使いこなせる操作性が高く評価された。
また、見守りスタッフの中には早上がりが必要なケースなどがあり、個別の条件が重複しないよう細かく設定できる点が、現場の柔軟な運用に役立っている。さらに、早朝業務のため急な欠勤連絡も発生しやすいが、操作に不慣れな段階でもサポートチームから迅速な返答が得られる体制も、事業の安定運営に大きく貢献すると判断された。
現在、らくしふは市内10校の小学校で導入されており、導入から約1カ月半で、ITリテラシーやライフスタイルが異なるすべてのスタッフが問題なくサービスを活用できるようになった。事務局側では、シフト作成から確定通知、急な欠勤への対応までを1名でスムーズに担えており、欠員時のヘルプ募集や一斉連絡も効率的に行われている。
らくしふの導入は、早朝1時間に集中しパソコンも設置できない特殊な運用環境にも自然にフィットした。属人的な調整から脱却し、見守り体制の質の向上と安定的な運営体制の構築につながっている。
調布市市民サービス公社の担当者である鎌田氏・小野氏は、「らくしふは、LINEを通じてシフトの提出や確認ができるため、身近なツールで誰もが簡単に使いこなせる点が導入の決め手となった。今後の導入校の拡大やスタッフの増加に伴い、早朝という制約の多い環境でも安定した運用を実現できる基盤として、今後も積極的に活用していきたい」と話している。
現在、市内10校で運用されているみまモーニングは、今後さらなる導入校の拡大とスタッフ規模の増加が見込まれている。同公社は、らくしふによるシフト管理の仕組み化によって、誰が担当しても安定的に運用できる体制を構築し、今後の事業拡大においても現場や事務局に過度な負担をかけることなく、持続可能な見守り体制を維持したい考えだ。