サンワ・アイは、デジタル技術を活用した新規顧客開拓の仕組みづくりを開始した。施策の推進にあたり、シナジーマーケティングのデジタルマーケティング支援サービスおよびクラウド型CRM「Synergy!」を採用した。12月5日、シナジーマーケティングが発表した。従来の展示会や飛び込み営業に依存した体制を刷新し、Webサイトを通じた見込み顧客獲得のルートを構築する。営業担当者の負荷を軽減しつつ、組織的な営業力の強化を目指す。
東大阪市に本社を置くサンワ・アイは、ねじ接合品の製造・卸売を手がける企業。特殊加工品の売上拡大に向け、新規取引先の開拓が経営上の重要課題となっていた。従来は展示会への出展が主な顧客接点だったが、獲得した名刺に対するフォロー営業のリソースが不足し、機会損失が発生していた。また、営業手法が個人の力量や経験則に依存しており、組織として継続的に新規顧客を獲得するマーケティングの仕組みが存在しなかったことも課題だった。
こうした課題を解決するため、同社はデジタルマーケティングの導入を決定し、パートナーとなるベンダーの選定を実施した。12社を比較検討した結果、シナジーマーケティングの採用を決めた。選定にあたっては、Webサイトの現状分析において自社の課題や弱点を率直に指摘した提案内容や、マーケティング、システム、営業の各専門家がチームで支援する体制を評価した。また、社内にWeb制作や運用のリソースがない中、単なるツールの提供にとどまらず、コンテンツ制作から組織への定着まで伴走型の支援が受けられる点も決め手となった。
現在はシナジーマーケティングの支援のもと、Webサイトの改善やコンテンツ制作を進めている。サンワ・アイが目指すのは、デジタルだけで完結する営業ではなく、デジタルとアナログを融合させた営業スタイルの確立だ。Webからの流入で見込み顧客を継続的に獲得する仕組みを整えることで、営業担当者が顧客対応や商談そのものに注力できる環境を整備する。これにより、業務効率化を図るとともに、成約率の向上につなげる。
今後は、プロジェクトを通じて社内にマーケティングのノウハウを蓄積し、将来的には自走できる組織体制の確立を目指す。サンワ・アイ取締役営業部部長の仲村隆行氏は、「デジタルマーケティングの導入は、営業担当者が生き生きと新規開拓を楽しめる組織へ変革するための手段だ。新しい手法を取り入れることで、事業成長のみならず、次世代の人材が活躍できる環境を作っていきたい」と話している。