清水建設グループ、電力事業の収支を可視化 実績管理を自動化し営業戦略を迅速化

2026年3月17日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 清水建設とスマートエコエナジーは、電力事業の実績管理業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するため、クラウド上のデータ分析基盤を構築した。3月16日、導入を支援したインテックが発表した。電力販売に関するデータの収集と集計を自動化することで、タイムリーな収支状況の可視化を図る。これにより、需給管理方針や営業戦術の決定を迅速化させる。

 清水建設グループで電力事業を担うスマートエコエナジーでは、電力販売の実績管理を2週間程度かけて手作業で行っていた。需要家の使用電力量や需給管理に関するデータが多種多様であり、担当者の業務負荷が高いことが課題となっていた。また、データの収集と集計に時間を要するため、実績に基づいた販売戦略の立案をタイムリーに行えない状況にあった。

 こうした課題を解決するため、両社は2023年4月から実績管理業務のDXプロジェクトを開始した。システム開発ベンダーには、清水建設と数十年にわたる取引実績があり、業務への理解が深いインテックを選定した。開発手法には、仕様変更へ柔軟に対応できるアジャイル型を採用。インテックが持つSaaSの機能開発や新サービス開発のノウハウを評価した。

 新たなデータ分析基盤には、Denodo Technologiesのデータ仮想化ソリューション「Denodo Platform」や、Microsoftのビジネス分析プラットフォーム「Microsoft Power BI」を活用した。複数のシステムやパッケージから出力される形式の異なるデータを解析して連携し、販売、原価、利益の集計計算を半自動化した。非整形データの正規化やレポート用ビューの設計により、ストレスのないレポート出力を可能にしている。

 新基盤の導入により、これまで2週間を要していたデータの加工やレポート作成作業が不要になった。データの収集から可視化までを自動化したことで、日次や月次での収支を即座に確認できるダッシュボード環境を整備。データ収集の属人化を解消するとともに、業務効率を大幅に向上させた。

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ダッシュボードのイメージ

 清水建設グリーンエネルギー事業本部グリーン電力ソリューション部部長の益戸智生氏は、今回の取り組みにより30分単位での電力需給実績の可視化と詳細な分析が可能になったと説明する。これにより、電力調達の意思決定や販売戦略の立案を迅速かつ的確に行えるようになった。事業収支予測の精度向上は経営基盤の強化に直結し、電力事業のさらなる拡大に貢献すると確信しているという。

 また、同社DX経営推進室DX企画部先端技術応用グループグループ長の岡崎良孝氏は、中期DX戦略に掲げる「データを活かしきる経営」の一例として本プロジェクトを位置づけている。データ設計には苦労したが、インテックの支援を受けつつ全社基盤を活用して効率的に進められたとし、今回得た知見を他の事業のデジタル化にも活かしていく意向だ。

ニュースリリース