兵庫県多可町は、インフォマートの請求書クラウドサービス「BtoBプラットフォーム請求書」を導入した。9月5日、インフォマートが発表した。請求書のデジタル化により会計事務の効率化を進めた。
同町は従来、町内の中小企業約500社からの請求書を全て紙で受け取り、職員が財務会計システムに入力し、原本をスキャンして支払調書に添付するという流れで処理していた。町側の業務負荷が大きいだけでなく、請求書の発行側である事業者にとっても、印刷と郵送、持参の手間やコストがかかっていた。
これらの課題の解決策として、多可町は電子請求書の導入を検討。請求書の受け取りをデジタル化するだけでなく、財務会計システムとの連携による伝票入力の自動化を目指した。こうした背景から、既存の情報システムとの連携のしやすさを重視して製品を選定した、BtoBプラットフォーム請求書の採用を決めたという。
BtoBプラットフォーム請求書の導入後は、連携している財務会計システムで請求書データの処理状況を確認できるようになった。職員の事務フローや管理職の請求管理状況も関係者全員に可視化され、支払い漏れの防止につながっているという。また、受領データがそのまま財務会計システムに登録されるため、入力作業や金額の確認作業に要していた時間を大幅に削減できたとしている。
事業者側もBtoBプラットフォーム請求書の導入を歓迎しているという。同町は「事業者も請求書の処理状況を画面上で確認できるほか、電子帳簿保存法に対応しているので、適格請求書(インボイス)の交付・保存が可能なのもメリットとして感じていただけているのではないか」と手応えを語る。
さらに、これまで支払い後に事業者に郵送していた支払通知書についても、BtoBプラットフォーム請求書上で受け取ったものに関しては支払い処理のステータスを画面上で確認できるようになったため、発送をやめた。郵送コストの削減効果はもちろん、通知書の発行事務や保管事務の負担も大幅に減ったという。
多可町は今後、補助金交付や個人向けの支払い業務でもデジタル化を進める考えだ。