鴻池組は、山岳トンネル建設現場の切羽(掘り進めているトンネルの最先端の掘削面)における安全確保と施工管理の自動化を目的に、四足歩行ロボットを用いた自律探査の実証実験を実施した。技術開発支援はポケット・クエリーズが担当した。5月25日にポケット・クエリーズが発表した。実際の建設現場で無人探査とデータ取得を行い、技術検証を進めた。
山岳トンネルの切羽は、発破後の地山崩壊や落石などのリスクがある作業エリアである。両社は2025年7月に、四足歩行ロボットを活用した施工管理の自動化構想を公表しており、今回の実証はその検証段階として実施した。実験は2026年2月8日に行った。
実証では、四足歩行ロボット「Unitree B2-W」を使用し、複数の検証項目を確認した。まず、危険エリアへの無人探査については、ロボットが人に先行して進入し、不整地において自律走行および遠隔操作が可能であることを確認した。
次に、有害ガスのモニタリングでは、搭載センサーにより酸素濃度や可燃性ガス、有毒ガスの有無を遠隔で把握する運用を検証した。これにより、作業員の立ち入り判断に必要な情報を取得する手順を確認した。
さらに、LiDARによる3D点群データの取得(レーザー光を大量に照射して正確な距離を測り、現実世界をそっくりそのまま、砂絵のような「3Dの点の集合体」として立体再現する手法)では、切羽および坑道の形状計測を行い、取得データがBIM/CIMモデルと連携可能であることを確認した。ここで得られた結果は、施工状況の把握や形状変化の記録への活用を想定している。
今回の検証では、歩行安定性や連続稼働時間、通信環境などに関する課題も整理された。今後は、点群データを活用した施工進捗の解析や、BIM/CIMとの連携強化に向けた開発を進める。両社は、建設現場における安全性向上と作業の効率化を目的に、関連技術の検討と開発を継続する方針である。