近畿大学病院腫瘍内科は、リアルワールドデータ(RWD)を活用した治験・臨床試験の候補患者抽出に関する技術検証を完了した。検証にはNTTデータが参画した。5月25日に両者が発表した。従来は手作業で行っていた患者スクリーニングを、データ解析に基づく手法で実施可能であることを確認した。
治験や臨床試験では、実施計画書に定められた適格基準を満たす患者を迅速に特定する必要がある。一方で、従来のスクリーニングは医師や治験コーディネーターが電子カルテを個別に確認する方法が中心であり、作業負担や確認漏れが課題となっていた。
今回の検証では、次世代医療基盤法に基づく認定事業「千年カルテ」に蓄積された電子カルテデータと、過去の医師主導治験・臨床試験の実施計画書における適格・除外基準を組み合わせて分析した。テキスト所見や入退院レポートなどの非構造化データも対象とし、条件に合致する患者の抽出ロジックを検証した。
NTTデータは、医療情報の二次利用に関する事業者としての知見を活用し、データ分析手法の設計を支援した。これに近畿大学病院の臨床知見を組み合わせることで、実データに即した抽出条件の検討を行った。
検証の結果、適格基準に基づく条件設定により、対象患者候補を一定範囲まで絞り込めることを確認した。これにより、候補患者の抽出プロセスをデータに基づいて実施できる可能性が示された。
今後は、実運用での適用性を検証しながら、候補患者の抽出や組み入れプロセスの改善に取り組むとしている。また、NTTデータは本検証で得られた知見を基に、医療機関や製薬企業と連携したサービス化の検討を進める。