長野県南佐久郡川上村は、夜間や休日における医療アクセスの補完を目的に、遠隔医療相談サービス「いつでもドクター」を導入した。サービス基盤にはリーバーの遠隔医療アプリケーション「LEBER」を活用する。5月25日にリーバーが発表した。2026年4月1日から、全世帯を対象に提供を開始している。
川上村は人口約3300人、約1200世帯が暮らす山間地域で、レタスの産地として知られる。同村には村立診療所が設置されているが、診療時間や対応可能な疾患には制約がある。また、緊急時に利用する医療機関は車で約1時間の距離にあり、夜間や悪天候時の移動に不安を感じる住民も多い。こうした地理的条件から、受診の判断や初期対応に関する支援の必要性が課題となっていた。
このため同村は、受診前の相談手段を整備することで、住民が適切に医療機関を利用できる環境づくりを進めた。スマートフォンを通じて24時間365日医師に相談できる仕組みを導入し、日常的な健康不安への対応や、受診判断の支援を行う。
住民は、アプリケーション上で症状や不安内容を入力することで医師に相談できる。内科や小児科、産婦人科など複数の診療領域に対応した医師が登録されており、チャット形式で助言を受けられる。医師は、受診の必要性や緊急度の目安を示すとともに、自宅での対応方法や市販薬の選択などについても情報提供を行う。
こうした仕組みにより、夜間や休日における相談手段を確保し、受診の判断に迷うケースへの対応を支援する。特に子育て世帯や高齢者にとって、移動を伴わない相談手段としての活用が想定されている。
また、受診の必要性を事前に整理することで、地域の医療機関への受診の適正化につながる可能性もある。軽症時の過剰受診を抑制しつつ、必要な場合には速やかな受診につなげる役割を担う。
川上村の担当課は、「山間地域という立地上、医療へのアクセスに不安を感じる方も少なくありません。オンライン医療相談を通じて、住民の不安軽減や子育て支援、心の悩みを気軽に相談できる環境づくりにつなげたいと考えています。また、受診の必要性を適切に判断できることで、不要不急の受診の軽減にも期待しています」と述べている。