ラフール、顧客インサイトを組織で共有 新規プロダクトの検証に活用

2026年10月6日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 メンタルデータテック事業を手がけるラフールは、顧客課題やインサイトを管理するクラウド「Centou」を活用し、顧客理解をチームで共有する取り組みを進めている。10月5日、提供元のalmaが導入事例を公開した。生成AIで実装が速くなる中、企画段階での顧客理解を個人の暗黙知にとどめず、業務プロセス全体を速くする狙いがある。蓄積したインサイトを基に展示会向けの新規プロダクトのプロトタイプを開発し、想定を上回る反応を得た。

 ラフールは、組織サーベイ「ラフールサーベイ」を累計2300社超に提供し、採用適性検査や管理職支援ソリューションも展開する。AI推進を担当する与那覇和人氏は、個人でさまざまなAIツールを試し、社内でも有志の勉強会やナレッジ共有を重ねてきた。ただ、個人のノウハウの共有には限界があると気づいた。社員は各自の業務を抱えており、「便利なものを作った人がいた」で終わってしまう。肝心の業務が変わらなければ、AIを一部の人だけが使う状態から抜け出せない。そこで、個人単位のノウハウ共有から、組織のプロセス変革へ重心を移した。

 業務プロセス全体を整理すると、コーディングなどの実装が速くなることは自明だった。次のボトルネックは、誰のために、なぜつくるかを決める企画フェーズだと考えた。全員が同じ商談やインタビューに出ることはできず、各メンバーが思い思いに顧客に話を聞くと、十人十色の理解になって組織の資産にならない。実装が速くなって空いた時間は顧客に使うべきだとし、顧客理解を暗黙知で終わらせないインサイトマネジメントに取り組むことにした。

 当初は、ホワイトボードツールの「Miro」に顧客課題を書き出して経営陣に見せたが、反応は良くなかった。almaの相談会で、経営の視点では、どんな課題があるかに加え、何がいちばん重要な課題かまで俯瞰できていないと共通理解にならないと助言を受けた。現場の実行に近づくほど、どの企業の課題か、どんなニュアンスで語られたかをあとからたどれる必要もある。既存のツールでは限界があると判断し、Centouの採用を決めた。

 運用では、過去の商談などを社内のデータ取り扱いルールに沿ってCentouに取り込み、ファクト、インサイトの順にまとめた。インサイトを分類し、どの事業領域にどんな顧客課題があるかを整理したことで、事業として解くべき大きな課題が見え、経営陣とのコミュニケーションもスムーズになった。まとめたインサイトは、展示会に向けた新規プロダクトのプロトタイプ開発に生かした。展示会で、インサイトを起点に開発したプロトタイプを見せたところ、想定以上の反応があり、次の事業検討を進める手応えを得た。経営陣との議論でも「この顧客のインサイトは」という言葉が自然に出るようになり、顧客課題が経営と現場の共通言語になりつつある。

 AI推進を担当する与那覇和人氏は「生成AIによって、一人ひとりが生み出せる価値の大きさが変わってきている。各メンバーの顧客に対する解像度が低いままだと、見当外れなものだけを量産する組織になってしまう。インサイトマネジメントは、お客様の解像度を高く保ち続ける組織文化そのものだと思っている」と話している。

ニュースリリース