パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、基幹システムの移行に伴う従業員の利便性向上を目的に、ソフトウェア体験管理プラットフォーム「Pendo」を採用した。4月8日、Pendo.io Japanが発表した。ユーザーの行動分析に基づき適切なガイドを表示することで、システム移行時に予想していた問い合わせ件数を約半分に削減。従業員の操作上の負担を軽減し、顧客対応に集中できる環境を整えた。
「ドン・キホーテ」などの総合ディスカウントストアを展開するPPIHは、店舗スタッフの発注業務や在庫管理を担う基幹システムの刷新を進めている。2025年10月から始まった第7世代システムへの移行では、対象従業員が約5万人に上り、操作に関する問い合わせの急増が大きな懸念となっていた。過去の移行時には問い合わせが通常の5倍に跳ね上がった経験があり、マニュアルやeラーニングの用意だけでは、多忙な店舗スタッフの課題解決には不十分だと判断した。
こうした背景から、同社は問い合わせが発生する前に対策を講じる「前捌き」の考え方を導入。複数のデジタルアダプション(DAP)ツールを比較した結果、詳細なユーザー行動の追跡が可能な分析機能の強さを評価し、Pendoを選定した。単にガイドを表示するだけでなく、分析データに基づいてユーザーが躓いている箇所を特定し、改善のサイクルを回せる点を重視した。
導入にあたっては、ITを専門としないメンバーを含むチームで、店舗スタッフが親しみやすいガイドデザインを追求した。マスコットキャラクター「ドンペン」を活用したポップな演出や、GIFアニメーションを用いた視覚的な案内を100個以上作成。実際の店舗用モニターで表示を確認するなど、現場視点での使いやすさにこだわった。
2026年1月にディスカウントストア業態の全部門で運用を開始したところ、最初の1週間の問い合わせは約150〜200件に留まり、事前に見込んでいた件数の約半分に抑えることに成功した。ユーザーからのクレームは一件もなく、ガイドが一人あたり平均2〜3回活用されるなど、スムーズなシステム移行を実現している。
今回のプロジェクトを通じ、サポートチームの姿勢も受動的な対応から、データに基づき能動的に改善を提案するマインドセットへと変化した。今後は2027年までに予定されている総合スーパー(GMS)業態への展開においてもPendoを活用する計画だ。同社 情報システム部 基盤運用課責任者の小林氏は、「店舗スタッフのITにおける『困った』をなくすことが、間接的に顧客体験の向上につながる。今後はユーザー行動を分析し、本当に必要な機能を開発するデータドリブンな文化を定着させたい」と話している。