老舗精肉卸の肉のクボタ、RPAで受注処理自動化し年間1380時間の業務削減を達成

2025年6月18日19:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 肉のクボタは、受注業務の効率化を目的に、ユーザックシステムが提供する「Autoジョブ名人」の「Robo派遣」サービスを採用した。6月17日、ユーザックシステムが事例発表した。

 肉のクボタは明治22年に東京都立川市で創業した老舗精肉卸売業者で、現在は東京23区を中心に南関東全域の飲食店約800の取引先から毎日400件以上の注文を受けており、受発注システムや留守番電話からの発注書出力が日々の業務となっていた。毎朝200件を超える発注書の出力は手作業で行われており、受注担当者は始業時間の6時よりも早い4時出勤が常態化していた。また、電話注文の対応も人員確保の課題となっていた。

 こうした状況を打開するため、肉のクボタは受注業務の自動化・効率化に乗り出した。ユーザックシステムのRobo派遣サービスを知り、長年悩んでいた課題の解決策として同サービスが活用できると考えた。

 Robo派遣サービスの選定理由は、得意先ごとに異なる受発注システム(BtoBプラットフォーム、ASPIT、TANOMU)に対応できる点だった。3種類すべてのシステムに対応し、それぞれの起動と発注書出力を自動で行うシナリオを設定した。出力時間が40分から1時間かかるため、終了時間を考慮したタイミングで自動実行される仕組みとなっている。

 導入はシステム会社のサポートも受けながら進められ、2024年11月末に完了した。導入により、受注担当者の出勤時間は4時から6時前に戻すことができた。これにより、1か月あたり2名で合計73時間以上の業務削減に成功した。現場の準備を行う4名も1か月あたり42時間以上の削減を実現している。現時点でRobo派遣サービスの稼働期間は3か月ほどだが、年間で1380時間の業務削減が見込まれる。

 さらに、受発注システムの出力自動化に加え、留守番電話による受注を廃止し、LINEで受注できるシステムも導入した。これにより、朝の電話対応による業務中断がなくなり、事務作業の効率も大幅に向上した。以前は事務員の2人が電話対応に追われることもあったが、現在は業務時間の短縮が進み、ドライバーの出発遅延といった問題も発生しなくなった。

 今後の展望として、肉のクボタは集金業務の効率化や自動化にも取り組みたい考えだ。現金取引が多い業界特性を踏まえ、バーコード決済や電子マネーによる代金回収の自動化も検討している。金銭のやりとりをすべて電子化し、記録を残すことで集計や税務署への説明も容易になることを期待している。

ニュースリリース


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