サウンドハウスは、Salesforceのマーケティングプラットフォーム「Agentforce Marketing」やカスタマーサービス基盤「Agentforce Service」、データ活用基盤「Data 360」の活用を拡大した。8月28日、導入および運用を支援したエンミッシュが発表した。パーソナライズされたメール配信によって利用料の約1.5倍に相当する売上を創出したほか、商品マニュアルとAIを連携させて問い合わせ対応を効率化する仕組みを構築した。
サウンドハウスは、業務用音響機器や楽器、照明機器の通信販売を手がけ、国内最大級のECサイト「サウンドハウス」やフリマサイト「サウンドマート」などを運営している。同社はマーケティングや問い合わせ対応の改善を目的にSalesforce製品を導入していたが、社内リソースやITスキルの制約から、利用できる機能は限定的だった。目的としていたシナリオメール配信や問い合わせ情報の一元管理などを本格化させるには、業務に合わせた活用設計と現場への定着が課題となっていた。
こうした課題を解決するには、自社の業務内容を深く理解したうえで具体的な活用方法を提案し、実装から運用定着まで一貫して支援できるパートナーが必要だった。そこでサウンドハウスは、現場や業務への理解に基づいた提案力と、伴走支援の実績を評価し、エンミッシュを支援パートナーに選定した。エンミッシュは各製品を個別システムとして捉えるのではなく、営業、マーケティング、カスタマーサポートの各業務を横断的に見渡しながら活用を支援。サウンドハウスの担当者が自ら施策を運用できるよう、必要な設定支援やノウハウ共有を進めた。
今回の取り組みでは、Agentforce Marketingにおいて、顧客の行動データをもとにクーポン付き誕生日メールや休眠顧客への再アプローチなど、パーソナライズされたシナリオメールを配信できる環境を整備した。基本的な施策の段階でありながら、Agentforce Marketingの利用料の約1.5倍に相当する売上を創出している。また、Agentforce Serviceでは、電話による問い合わせ内容を顧客情報と紐づけて一元管理できる体制を整えた。現在は、通話内容を自動でテキスト化してデータとして蓄積する仕組みの構築も進めている。
さらに、専門知識が求められる音響機器や楽器の使い方や仕様に関する問い合わせに対しては、商品マニュアルをData 360に集約し、AIと連携させて質問に回答する仕組みを構築した。これにより、特定の担当者に蓄積されていた商品知識を共有し、多くの担当者が問い合わせに対応できる体制づくりを進めている。
サウンドハウス取締役の隅田康一氏は、「シナリオによるメール配信に関しては、クーポン付きの誕生日メールや掘り起こしメールなど、まだ基本的な施策しか行っていませんが、それでもすでにAgentforce Marketingの利用料の1.5倍ほどの売上を計上しています。今はメールの種類を増やすほど効果が出ている段階で、拡大の余地はまだまだあると感じています」とコメントしている。
今後は、商品マニュアルとAIを活用した仕組みを一般公開し、顧客が疑問を自ら解消できるセルフサポートへの展開を計画している。将来的には、商品選びから購入後の活用までを支えるAIコンシェルジュへの発展も見据える。