アイカ工業は、全社的なデータ活用と意思決定の迅速化に向けたデータ基盤として、Sansanの顧客接点データ管理サービス「Sansan」と取引先データ管理サービス「Sansan Data Intelligence」を採用した。8月12日、両サービスを提供するSansanが発表した。部門や拠点で分散していた顧客接点の情報やマスタデータを統合し、営業活動の効率化とデータに基づく経営判断を推進する。整備したデータを基に、生成AIやBIツールの活用も視野に入れる。
建築素材や接着剤などを手がける大手化学メーカーのアイカ工業は、社内データの管理に複数の課題を抱えていたという。営業部門で従来利用していた名刺管理サービスは、データ化の精度や他システムとの連携機能の観点で、高度化する社内の要求に応えられていなかったという。また、担当者の異動などに伴う顧客情報の引き継ぎが十分ではなく、商談機会を逃すケースもあった。
一方、デジタル推進部門では生成AIやBIツールを用いたデータ分析を目指していたが、部門や拠点ごとに顧客情報や販売データが分散しているという課題があった。データの更新漏れや表記のばらつきも多く、全社的なデータ活用の前提となる基盤整備が急務となっていた。
これらの課題を解消する新たなデータ基盤として採用したのがSansan製品だ。豊富な導入実績や名刺データ化の精度に加え、異なるシステム間でも同一企業を横断的に識別できる点を評価した。導入から社内の定着までSansanが支援し、円滑に利用を開始できたという。
Sansan製品の導入により、営業部門では名刺やメール、商談履歴といった接点情報を全社員がクラウド上で共有できるようになった。社内の人脈を可視化することで新たな案件創出を狙うとともに、担当者変更時の引き継ぎをスムーズにし、顧客との関係維持を図る。
データ管理の面では、基幹システム内で別々に管理されていた得意先や仕入先などのマスタデータを統合した。全ての顧客データに独自の識別コード「Sansan Organization Code」を付与することで、重複や表記のばらつきを解消し、システム横断での一元管理が可能になった。今後は顧客接点データと基幹データを掛け合わせ、営業活動や経営判断での意思決定の精度とスピードをさらに高める方針だ。
アイカ工業で執行役員デジタルイノベーション推進部長グローバルITプランニング・サイバーセキュリティグループ長を務める沖永剛義氏は、「以前からデータを起点とした意思決定を全社で実現したいと考えていたが、システムのサイロ化やデータの品質面で環境が整っていなかった。既存システムと組み合わせて活用することで、これまで生かしきれていなかったデータが資産に変わると感じた」とコメントしている。