富士通ゼネラルは、SAPジャパンのクラウドERP「RISE with SAP S/4HANA Cloud Private Edition」と「SAP Business Technology Platform(SAP BTP)」を導入し、2023年10月に新システムを本稼働させた。8月28日、SAPジャパンが発表した。富士通ゼネラルは、新システム導入によりIT負債の解消と予測型事業運営の実現を目指す。
富士通ゼネラルは、主力製品である空調機事業を世界100カ国以上で展開するグローバル企業だ。連結売上高の7割以上を占める海外市場では、ヒートポンプ技術やインバータ技術に加え、デジタル技術を活用した空調システムを提供し、サステナブルな社会の実現に貢献している。
同社は30年以上にわたりCOBOLベースのメインフレームで基幹系システムを運用してきた。しかし、システムの複雑化と属人化が進み、IT負債を抱えるようになっていた。そこで、データドリブン経営への転換、ビジネスモデルの改革、生産性向上を実現するため、新たなIT基盤への刷新が必要不可欠となっていた。
今回導入したRISE with SAP S/4HANA Cloud Private Editionは、富士通ゼネラルのIT負債解消と予測型事業運営の実現を支援する。さらに、SAP BTPを活用することで、データの効果的な活用と業務プロセスの標準化を図る。
新システム導入により、富士通ゼネラルはアドオンの50%削減、出力帳票の95%の削減を見込む。これらの成果で、業務の生産性向上による人的リソースの新規ビジネスへのシフト、データを活用した予測型事業運営の実現などを目指す。
富士通ゼネラル IT統括部 統括部長の前田一郎氏は、「生産性向上によって生まれた人的リソースは、収益性の改善や新規ビジネスの創出にシフトしていく。業務改革として、現在90%を占めるルーチン業務を40%まで圧縮し、残りの60%を戦略系業務に充てることを目指している」と述べている。