メルセデス・ベンツ、次世代SDV開発に「Alloy Kore」採用し開発期間短縮

2026年1月7日17:20|ニュースCaseHUB.News編集部
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 メルセデス・ベンツは、次世代のソフトウェア定義型自動車(SDV)アーキテクチャの実現に向け、車載基盤ソフトウェアプラットフォーム「Alloy Kore」の導入検討を開始した。1月7日、Alloy Koreを提供するBlackBerryの事業部門であるQNXと、Vector Informatik(ベクター)が発表した。安全認証済みのOSとミドルウェアを統合した共通基盤を活用することで、車載ソフトウェアの複雑化に伴う開発負荷を軽減し、新たなデジタル車両アプリケーションの市場投入を加速させるのが狙いだ。

 自動車業界では現在、SDVへのシフトが進む中で車載ソフトウェアのアーキテクチャが極めて複雑化している。特にOSやミドルウェアといった基盤レイヤーの統合や最適化が大きな負担となり、車両の量産開始(SOP)の遅延や計画変更を招く要因となっている。こうした課題に対し、メルセデス・ベンツは高性能な集中型コントロールユニットの実現や、車両フリート全体へのOTA(Over-the-Air)アップデートを可能にする仕組みを求めていた。

 今回採用したAlloy Koreは、QNXの安全認証済みOSおよび仮想化技術と、ベクターのミドルウェアを統合したスケーラブルな基盤。これを導入することで、ハードウェアとソフトウェアの開発サイクルを分離し、車両ドメイン全体にわたるアプリケーション展開が可能になる。自動車メーカーは、基盤開発に費やしていたエンジニアリングリソースを、高度な運転支援システムやパーソナライズされた車内体験といった、ブランド価値を左右する付加価値の高いソフトウェア開発に集中できる。

 メルセデス・ベンツのソフトウェアベースレイヤー/ネットワーク設計担当責任者であるマルコ・マニスカカルコ氏は、「Alloy Koreは、安全性、セキュリティ、性能を統合した共通基盤であり、SDV開発に新たな可能性をもたらす。最先端のソフトウェア体験を迅速に提供し、車載ソフトウェアアーキテクチャの進化を後押しする可能性がある」と評価している。

 今後は、2026年後半に予定されている機能安全(ISO 26262 ASIL D)などの認証を取得した正式版のリリースに先立ち、早期アクセス版を通じてプロトタイプ開発や統合を進める。

ニュースリリース