富士フイルムホールディングスを中心とする富士フイルムグループは、Microsoft 365の運用管理ソリューション「AvePoint Cloud Governance」と、データライフサイクル管理・アーカイブソリューション「AvePoint Opus」を採用した。10月28日、両製品を提供するAvePoint Japanが発表した。グループのSharePointストレージは約1.4PBに上り、データ量は1日あたり約2TBのペースで増え続けている。Opusで利用頻度の低いデータを自動的にアーカイブすることで、2024年に保存したデータ量は導入前の2023年と比べて約4割減少し、ストレージの追加購入を抑えている。あわせてSharePointサイトの作成を申請制にし、ガバナンスに基づくサイト管理も進めている。
富士フイルムグループは、持株会社の富士フイルムホールディングスの下に、富士フイルムや富士フイルムビジネスイノベーションをはじめとする事業会社を擁する企業グループだ。ヘルスケア、エレクトロニクス、ビジネスイノベーション、イメージングという幅広い4領域で事業を展開し、その拠点は世界各地に広がる。
グループでAvePoint製品を利用し始めたのは、2017年ごろにさかのぼる。当時、富士ゼロックス(現・富士フイルムビジネスイノベーション)は、SharePointの運用で二つの課題を抱えていた。一つは、標準のSharePointでは従業員が誰でも自由にサイトを作成できるため、サイトが乱立して統一感を欠き、生産性の低下を招いていたこと。もう一つは、コンテンツ改善の判断材料となるアクセスログの取得にシステム管理者の関与が必要で、各部門からの提出依頼が頻繁に発生していたことだ。こうした課題に対応するため、同社はDocAve Online(現・AvePoint Cloud Governance)を採用した。
その後、グループは国・地域や会社間のコミュニケーションを円滑にするため、グローバルのグループウェアをMicrosoft 365に統一。従業員の移行は2023年度に、特殊な利用ケースを含む移行は2024年度に完了した。SharePointを文書共有の中核とする方針が固まったことで、急増するデータ量に対応するため、不要なコンテンツを整理・アーカイブする仕組みづくりが急務となった。
こうした背景から、AvePoint Cloud Governanceでサイト管理とログ取得を自動化するとともに、2024年2月からAvePoint Opusの本格運用を開始し、利用頻度の低い文書の自動アーカイブを全社に展開した。
Opusの運用開始当初は、文書のすべてのバージョンがアーカイブ対象となっていたため、アーカイブ先の容量が想定以上に膨らんでいた。グループの要望を受けてAvePointが最新版のみを対象とする仕様に改善した結果、アーカイブ先のデータ量は10分の1に減った。アーカイブ内の不要なデータを削除する機能も追加されている。
運用面では、Cloud GovernanceによってSharePointサイトの作成を申請制とし、アクセスログも自動で取得してエンドユーザーが見やすい形で提供している。アーカイブしたデータはエンドユーザー自身で復元できるため、リストアのたびにシステム担当者が対応する必要がなくなり、運用負荷の軽減につながっている。今後はストレージの追加購入が不要な状態を目指す考えだ。
富士フイルムホールディングスICT戦略部の萩原和哉氏は、「Microsoft 365のようなクラウドサービスは機能が次々と変わっていく。サードパーティ製の運用管理ツールがその変化に追随してくれれば、自社開発の改修工数を省けて安心して業務に取り組める。今後もAvePoint製品を活用し、運用の効率化とガバナンス強化の両立を進めていきたい」と話している。