横浜市医師会、災害時の医療情報をリアルタイムで可視化 JBCCと共有システムを共同開発

2026年10月28日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 横浜市医師会は、災害時に医療機関の診療状況や会員医師の安否、災害救護活動への参加可否を把握・共有する「横浜市災害時医療情報共有システム(YMIS:Yokohama Medical Information System)」を開発し、9月4日に稼働を開始した。開発はJBCCと共同で進め、サイボウズの業務アプリ構築プラットフォーム「kintone」や「Googleマップ」など複数のクラウドサービスを組み合わせて構築。10月27日、JBCCが発表した。地域の医療状況をダッシュボードや地図上でリアルタイムに可視化し、災害時の迅速な状況把握と意思決定を支える。

 横浜市医師会は、市内18区の医師会会員と横浜市立大学の大学区医師会会員で構成される郡市医師会で、会員数は約4300人と全国最大規模。休日・夜間救急医療や予防接種、健診・検診、在宅医療の推進などに取り組むほか、横浜市との協定に基づいて災害時医療も担っている。

 近年、地震や豪雨などの大規模災害が相次ぐ中、被災地域の医療機関の状況を迅速に把握し、災害対策本部や関係機関と共有する情報基盤の重要性が増している。一方で、災害発生時は医療従事者が置かれた状況によって情報共有が難しい場合があり、地域全体の状況把握や支援の判断に時間がかかることが課題だった。同医師会でも、これまでの災害対応や支援活動の中で情報が分散し、必要な支援につなげるまでに時間を要する場面が少なくなかったという。

 YMISは、同医師会が能登半島地震で日本医師会災害医療チーム(JMAT)の派遣活動を通じて得た知見を基に、将来の大規模災害への備えとして開発したクラウドサービスだ。発災直後から復興回復期まで変化し続ける医療機関の状況を継続的に収集し、医療機関の診療可否や被災状況、会員医師の安否、災害救護に協力できる人員の情報を一元管理する。復興回復期に向けては、インフラの復旧状況やボランティアの要望の有無なども集約する。情報の収集手段は、LINEやメール、PC、スマートフォンなど状況に応じて選べるようにした。

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YMISの機能(出典:JBCC)

 収集した情報はダッシュボードや地図上で可視化し、地域全体の状況把握と迅速な意思決定に役立てる。YMISを通じて、市民向けの「よこはまあんしんマップ」も公開している。

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YMISの画面イメージ(出典:JBCC)

 JBCCは今後、横浜市医師会との共同開発で実装した機能をパッケージ化し、11月下旬から全国の医師会向けクラウドサービスとして提供する予定。地域ごとの要件に応じたカスタマイズに対応しつつ、約1.5カ月で導入できるとしている。

 横浜市医師会は「JBCCとの共同開発により、現場の知見を生かした情報共有基盤ができた。今後はこのシステムを活用して市民に必要な医療をより迅速に届けるとともに、横浜で培った仕組みを全国へ広げ、災害時でも切れ目なく医療を届けられる医療ネットワークを目指す」とコメントしている。

ニュースリリース