島村楽器、SAPのクラウドERPで基幹刷新 全社の在庫管理と顧客情報を統合し接客強化

2026年10月27日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 島村楽器は、顧客体験の向上と経営基盤の強化に向けて基幹システムを刷新する。新たな基盤として、SAPの小売業向けクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud Public Edition, retail, fashion, and vertical business」を採用した。10月26日、島村楽器とSAPジャパン、導入パートナーを務めるワンアイルコンサルティングが共同で発表した。全社在庫や顧客情報を一元化して接客品質と顧客満足度を高めるとともに、店舗別・エリア別の損益をリアルタイムで把握できる経営基盤を整える。

 島村楽器は、店舗での接客を軸に顧客満足度の向上に取り組んできた。現在は店舗に加え、EC、音楽教室、修理など顧客接点が多様化している。こうした中で、どの接点でも顧客満足度をさらに高められるよう、接客を支える仕組みを見直す必要があったという。

 現行環境では、在庫が物流、EC、店舗の複数システムに分かれており、全社の在庫を一元的に把握するのが難しかった。顧客情報も店舗、EC、音楽教室、修理で分散し、一人の顧客として捉えにくい状況だった。さらに財務会計と管理会計が分断されていたため、損益の把握や月次の施策判断に時間がかかることも課題だった。

 採用したERPは小売・ファッション業界向けのパブリッククラウド型ERPで、基幹業務を統合し、全社的な業務標準化とリアルタイムな経営管理を支援する。業務プロセスにAIを組み込み、継続的に機能が進化する点も選定の重要なポイントになったという。プロジェクトにはワンアイルコンサルティングが参画し、在庫、販売、購買、会計をつなぐ業務・データ基盤の構築を担当する。

 新システムでは全社の在庫管理を一元化し、店頭とECのどちらでも、商品をいつ、どこから、何日で届けられるかをその場で案内できる環境を目指す。店舗やEC、音楽教室、修理に分散していた顧客情報は会員IDで統合し、顧客一人ひとりに合った提案やサービス提供につなげる。また、財務・販売・在庫データを統合し、締め処理を待たずに店舗別・エリア別の損益をリアルタイムで把握できるようにする。経営状況を可視化して意思決定を迅速化し、市場や顧客ニーズの変化に素早く対応できる体制を整える考えだ。

 今後は統合した業務データを活用し、AIによる業務支援や分析の高度化を進める予定だ。クラウドERPに継続的に組み込まれるAI機能を取り入れ、店舗と本社の業務効率化や従業員の生産性向上、データに基づく迅速な意思決定につなげる。島村楽器は今回の刷新を単なるシステム更新ではなく、オムニチャネル展開の強化やAI活用を継続的に進めるための経営基盤と位置付けている。

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