三越伊勢丹ビジネス・サポート(IMBS)は、ブライセンのクラウド型倉庫管理システム(WMS)「COOOLa(クーラ)」を導入し、物流基盤を刷新した。10月26日、ブライセンが発表した。二つのWMSの統合と倉庫移転を並行して進め、BtoBとBtoCという異なる業務要件に対応する基盤を構築した。在庫や作業進捗を可視化できるようになったほか、運用コストの削減にもつながっているという。
IMBSは三越伊勢丹グループの物流を担う中核企業。長年にわたり百貨店物流を支えてきたほか、現在はグループ外の一般企業からも物流業務を一括して請け負う3PL(サードパーティー・ロジスティクス)事業や、物流ソリューションも提供している。
百貨店物流は多品種・小ロットの商品を扱い、物流パターンが多岐にわたるうえ、季節や催事によって物量が大きく変動する。ギフトでは「のし」やメッセージカードなど、商品や用途に応じたきめ細かな対応も必要になる。こうした多様な業務で物流品質を維持しながら生産性を高めるには、現場の経験だけに頼らず、在庫や作業進捗を可視化し、業務ごとに標準化を進められる仕組みが求められていた。将来の事業拡大や業務の変化に柔軟に対応できるWMS基盤の整備も課題だったという。
COOOLaの選定にあたっては、業務要件への機能適合性とカスタマイズの柔軟性、「AutoStore」などのマテハン(物流機器)との連携実績を評価した。また、導入後の業務変更や事業拡大に応じて機能追加や他システムとの連携を進められる拡張性、限られたスケジュールで導入を進められる体制、現場運用を踏まえて実現方法を共に検討し、導入後も改善を続けられるサポート体制も決め手になったとしている。
プロジェクトは二つのWMSの統合と倉庫移転を同時に進めるものだったため、三つの業務・機能を段階的にリリースする計画で進行した。マテハンとの連携を含め、現場の物流オペレーション全体を確認しながら構築を進めた。要件定義と後続工程を一部並行させる中で、稼働に必要な機能と稼働後に改善する機能を整理し、両社で優先順位や実装範囲を調整。その結果、当初の予定どおり稼働にこぎ着けたという。
導入後は、在庫情報や作業進捗を共通のシステム上で確認できるようになり、日々の状況をデータで把握して業務改善を検討する基盤が整った。BtoBとBtoCで分かれていたシステムを統合し、上位システムとの連携も一本化した。倉庫移転に伴う物流機能の集約と合わせ、運用コストの削減にもつながっている。IMBSの担当者は「大きな変化の一つは、数字が見えるようになったことだ」と話している。
今後は、COOOLaを入出荷や在庫の管理にとどまらず、蓄積したデータを物流改善に活用していく方針だ。同社の担当者は「作業生産性や物流品質を可視化し、現場の5Sや業務標準化、人材育成と組み合わせることで、継続的に改善できる物流現場を目指す」としている。人手不足や環境変化にも対応できるよう、新たな業務や荷主企業への活用の幅も広げていく考えだ。