クレハ環境、SORACOMで工業用水を遠隔監視 水圧低下解消や検針省力化に成功

2026年9月2日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 クレハ環境は、ソラコムのIoT通信プラットフォーム「SORACOM」を活用し、既存設備へ後付けで工業用水の遠隔監視システムを構築した。9月1日、ソラコムが発表した。長年の課題だった工業用水の水圧低下を解消したほか、検針作業の省力化にもつなげた。今後は工場全体へ監視対象を広げ、データに基づく設備管理を進める。

 クレハ環境は福島県いわき市に本社を置き、廃棄物の適正処理や環境エンジニアリングなどの地球環境保全事業を展開している。同社の工場では工業用水の圧力低下が頻発し、大型機器の安定稼働に影響を及ぼしていた。焼却炉での水使用量増加を検討するなかで工場全体の水バランスを把握する必要があったが、従来の分散制御システム(DCS)は有線ケーブルで運転制御室へデータを集約する方式だったため、計器増設に伴う追加工事やデータの閲覧場所が限られる点が課題となっていた。

 そこで同社は、大規模なケーブル敷設を伴わずにデータを収集できる無線通信に着目した。他社との比較テストを経てSORACOMの採用を決めた。IoT向け通信の安定性に加え、サーバーやクラウドを個別に準備することなくデータの収集から蓄積、ダッシュボード作成まで一気通貫で完結できる点を評価した。

 開発プロジェクトは、化学工学を専門とする設備管理部門の社員2名が主導した。流量計や圧力計をIoTゲートウェイに接続し、「SORACOM IoT SIM」のセルラー回線で1分ごとにデータを取得。データ収集・蓄積サービス「SORACOM Harvest」やダッシュボード作成・共有サービス「SORACOM Lagoon」を活用し、構想から約10カ月で開発から運用開始までを完了させた。初期接続は14台の機器から始め、導入コストは約40万円、運用コストは月額数千円に抑えた。

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既存の設備に圧力計、流量計を取り付けてデータを取得

 新システムの稼働により、パソコンやスマートフォンから水バランスをリアルタイムで把握できるようになった。複数地点の圧力を監視した結果、特定箇所の高圧状態を特定して配管のバイパス化工事を実施し、水量低下の警報発生をゼロに抑えるとともに水圧低下の課題を解消した。また、取水制限時に運転員が1時間おきに現地を巡回していた検針作業も不要となり、業務の省力化につながった。

 クレハ環境設備管理部の河口氏は、「これまでは感覚的に業務を進めてしまうことがあったが、IoTの活用後は現場の状況をデータで正しく把握できるようになり、PDCAの精度が向上した。トラブル発生時も迅速に原因を特定し、効果的な対策を打てるようになった」と話している。

 今後は今回構築した仕組みを電力使用量や圧縮空気の状態監視、空調管理、災害時の水位監視、センサーを用いた漏水検知などへ横展開し、工場全体のスマート化を進める。

ニュースリリース