名古屋市は、AIリアルタイム防災・危機管理サービス「Spectee Pro」 を災害対策本部運営訓練に活用した。1月7日、Specteeが発表した。この訓練は、南海トラフ巨大地震を想定したもので、Spectee Proは、2022年から同市の防災対策に導入されており、防災訓練での活用は2回目となる。
名古屋市では、南海トラフ地震を含む東南海の地震や近年激甚化している豪雨災害など、大規模災害への備えが急務となっている。今回の訓練は、南海トラフ地震想定震源域東側(遠州灘沖)でマグニチュード9クラスの大規模地震(名古屋市内最大震度7)が発生し、市内に甚大な被害が生じたとの想定で実施された。訓練は図上訓練(ロールプレイング)形式で、市災害対策本部を中心に、災害時の対応手順の確認、市民への迅速な情報伝達、関係機関への連絡調整などが行われた。
Spectee Proを活用し、SNS投稿や気象データなど、さまざまな情報から災害時の危機情報を収集、可視化した。具体的には、地震被害(建物の崩壊、火災、救助要請など)を想定した訓練用のSNS投稿が、防災危機管理局のモニター上で随時表示、通知され、対策本部の迅速な情報収集や意思決定を支援した。名古屋市職員はSpectee Proの投稿内容や位置を確認し、被災状況の把握や市民への呼びかけなどの意思決定に活用した。
名古屋市は、「人的、時間的リソースの限られる発災時、SNSから広く情報収集ができることは非常に有用であると考えております」とコメントしている。