矢崎部品、Spectee SCRで部品の生産工程を一元管理 災害時の初動を高度化

2026年6月17日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 矢崎部品は、サプライチェーンにおける初動対応の高度化を目的に「Spectee SCR」を採用した。6月16日、製造業向けにサプライチェーンリスク管理サービスを提供するSpecteeが発表した。部品の生産工程レベルまで紐づけた精緻なリスク可視化を進め、従来の被害状況の把握にとどまらない迅速な意思決定につなげる。

 矢崎総業グループの中核を担う矢崎部品は、自動車の神経とも称されるワイヤーハーネスを手がけ、自動車メーカーへの直接供給において高い安定供給責任を負っている。しかし、ワイヤーハーネスは数万点に及ぶ部品と数百社にのぼる多層な仕入先で構成され、サプライチェーンが極めて複雑な製品である。そのため、自然災害の頻発や地政学リスクの高まりに直面する中、影響範囲を迅速かつ正確に把握する体制の構築が急務となっていた。

 調達部門ではこれまで10年以上にわたり自社開発システムを運用してきたが、部品や仕入先情報の更新作業をすべて手作業で行っていたため膨大な工数がかかり、データ鮮度の維持に限界が生じていた。また、災害時の影響調査も人手に依存しており、夜間や休日、あるいは複数災害の同時発生時に広域なサプライチェーンを網羅することが難しく、初動の遅れや仕入先への回答負担が課題だった。複数のシステムを比較検討した結果、直感的な操作画面や速報性の高さに加え、外部委託先(Tier N)の製造プロセスまで踏み込んだツリー構造で管理できる点が実務に合致しているとして選定された。

 導入後は、CSVによる一括更新機能を活用することで、従来は半日を要していたデータメンテナンス業務が短縮された。災害発生時においては、システムがさまざまなリスクを24時間365日自動で検知し、影響の可能性がある仕入先へアンケートを自動送信する仕組みを確立。これにより、担当者が状況を把握する前に調査が開始され、情報の空白時間が解消された。

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Spectee SCR導入後のプロセス効率化のイメージ

 さらに、被害状況の可視化情報と位置情報を組み合わせることで判断の質が向上した。影響が小さいエリアへの過剰な確認を回避できる一方、重大な被災が懸念される仕入先に対しては、事前に視覚情報を得たうえで配慮のある迅速な連絡が可能となった。現在は災害時のみならず、世界情勢の変化に伴う影響確認や取引先からの問い合わせ対応にも活用しており、調査業務の一元化と担当者の負荷を軽減している。

 今後は、仕入先自身が自社情報を管理できる連携機能の運用を進めるほか、自社ERPの注文情報とシステムを連携させ、実際に流動している製品に絞ったより精緻な調査体制に改善する。矢崎部品は、オペレーション中心だった業務を、状況判断を行うマネジメント業務へとシフトさせ、自動車業界のTier1サプライヤーとしてさらなる安定供給責任を果たしていく。

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