三菱UFJトラスト投資工学研究所、Snowflake採用でデータ分析環境を効率化

2024年9月9日08:00|ニュースリリース公開日 2023年9月7日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)は、リサーチに用いるデータの格納基盤としてSnowflakeを採用した。2023年9月7日、Snowflakeが発表した。データアクセス効率の向上により、金融プロバイダーFactSetとのオルタナティブデータ研究など、ビジネスの幅を拡げている。

 MTECは、数理科学と情報科学を融合し、三菱UFJフィナンシャルグループの業務課題解決に役立つ金融ソリューションを提供する研究所。同研究所では、金融分野の膨大なヒストリカルデータを扱っており、その規模は数テラバイトに上る。データ量の増加に伴い、環境管理工数、パフォーマンス、データアクセス効率、データ共有の面で課題を抱えていた。

 MTECは、特にデータアクセス効率の向上に注目し、「マルチクラスター型共有データアーキテクチャ」や「Snowflake Secure Data Sharing」などの機能を評価しSnowflakeを採用した。MTECはまず、既存のデータベースを2つに集約しSnowflakeと連携させることで、環境管理工数を削減し、迅速なリサーチ体制を構築した。これにより、瞬時のリソース拡張が可能となり、ワークロード毎にコンピューティングリソースを準備できるようになり、パフォーマンスの課題も解決した。データベース集約と並行して非構造化データもSnowflakeに格納することで、データアクセス効率も向上した。

 Snowflake Secure Data Sharingによる企業間データ共有は、FactSetとの共同研究に活用されている。この取り組みは、MTECが蓄積したリサーチ力とFactSetが保有する豊富なデータを組み合わせることで、データから成果を生み出す道筋を示すことを目的としている。具体的には、FactSetが提供する企業や金融経済に関する基礎データやオルタナティブデータ群を活用し、各データの活用方法やデータ組み合わせ効果に関するリサーチを行い調査レポートとして発表する。これらの調査レポートは、両社のウェブサイトに掲載される予定。

 MTECは今後、複数のクラウドプラットフォームにデータベースの複製が可能なSnowflakeのレプリケーション機能などを活用し、データ共有・活用を推進する。さらに、MTECビジネスの効率化を図り、Snowflakeマーケットプレイスなどにおけるデータ販売も視野に入れた環境・運用の整備を進めていく。