YKK AP、ID管理基盤を刷新 年度末の組織変更に伴う工数を80%削減

2026年2月20日21:52|ニュースCaseHUB.News編集部
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 YKK APは、ID管理の効率化とガバナンス強化を目的に、クラウド型ID管理サービス「Keyspider」を採用した。2月20日、Keyspiderの導入を支援したアクシオが発表した。2万ID規模の管理業務を自動化することで、年度末の組織変更に伴う業務工数を約80%削減した。今後は基幹システムとの連携拡大や、グローバルでの統合管理を視野に入れ、持続可能なIT基盤の構築を推進する。 

 建築用プロダクツの大手メーカーであるYKK APは、2030年に売上高1兆円を目指すビジョン「Evolution 2030」を掲げ、部門横断的な情報連携を支えるIT基盤の整備を進めている。従来、同社は約1万3000件のID管理をオンプレミスの自社開発システムで行っていたが、入社や異動に伴う更新作業の多くが手作業に依存していた。人事異動が集中する時期の負荷増大や、退職者アカウントの削除漏れといったガバナンス上の課題に加え、全社員への端末配布に伴う数千規模のアカウント追加に対応できる拡張性の確保が急務となっていた。 

 ID管理基盤の選定にあたり、独自開発ではなく市場の実績があるSaaSを活用する「Fit to Standard」の方針を重視した。Keyspiderの採用理由として、日本企業特有の複雑な階層組織や大規模なID管理に適応できる柔軟性を評価した。また、既存システムとの連携フォーマットを維持したまま導入できる点や、同社の環境を熟知するSCSKとアクシオによる支援体制も決め手となった。 

 導入プロジェクトでは、旧システムの構造を解析するリバースエンジニアリングを実施し、複雑化した仕様を整理した。周辺システムへの影響を最小限に抑えるため、データの出力形式を旧システムと完全一致させる「疎結合」の設計を徹底した。これにより、既存の業務システム側を改修することなく、円滑な移行を実現した。 

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Keyspiderを活用したID管理の構成

 Keyspiderの導入により、人事システムとの自動連携が実現し、アカウントの発行や削除、組織マスタの更新が自動化された。これにより、全国で約1000名が従事していた手作業の負担が軽減された。また、退職者アカウントの自動停止や承認ワークフローの必須化により、不要なアカウントの残存を抑止し、セキュリティ水準が向上。管理画面での権限可視化により、監査対応の迅速化も実現している。 

 YKK AP IT統括部エンタープライズアプリケーションズの伊藤氏は、「Keyspiderを導入したことで、大規模なユーザー数でも安心して利用できる仕組みが整った。今後は認可の制御範囲を拡大し、各業務システムのロールまで自動制御することで、より効率的でセキュアな運用を目指したい」としている。 

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