トヨタ自動車は、屋内の位置情報を可視化するビーキャップのクラウドサービス「Beacapp Here」の活用範囲を拡大した。4月22日、ビーキャップが発表した。オフィスのフリーアドレス化に伴う「社員の居場所が分からない」という課題を解消したことで、導入から約3年で利用者は当初の10倍となる約1万700名まで広がり、12拠点で運用されている。
トヨタ自動車では、複数の拠点にまたがる組織が多く、オフィスのフリーアドレス化も進んでいることから、対面でのコミュニケーションを図る際に相手を探す手間が発生していた。以前は手動で席を登録する仕組みも利用していたが、移動のたびに更新する負担が大きく、登録情報と実態が乖離する課題があった。そこで、Bluetoothを活用してスマートフォンから自動的に位置情報を検知できるBeacapp Hereの採用を決めた。
運用開始から約3年を経て、現在はマネージャーが他拠点にいる部下の出社状況を確認したり、申請書類の不備を指摘するために担当者の居場所を特定したりといった、日常的な業務の効率化に貢献している。また、運用負荷をさらに軽減するため、マイクロソフトの認証基盤「Microsoft Entra ID」との連携も開始した。大規模な組織改編や頻繁な人事異動が発生しても、ユーザー情報を手動で更新することなく自動反映できる体制を整えた。
防災面での活用も進んでおり、出社しているメンバーの中からリアルタイムで防災リーダーを任命する機能を避難訓練などで検証している。今後は、気象庁の地震速報と連動して安否確認を迅速化する機能の活用なども検討し、ハイブリッドワーク下での安全確保にもつなげる。
トヨタ自動車デジタル情報通信本部e-TOYOTA部の天野裕二氏は、「オフィスの入り口に居場所を投影するディスプレイを設置したことが、他拠点へ広がるきっかけの一つになった。運用負荷の少なさが、長期にわたり使い続けられている秘訣だ」と評価している。