全国手話研修センター、手話教材をクラウド化 入金確認業務を10%未満に圧縮

2026年9月15日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 全国手話研修センターは、手話動画教材をクラウドでも提供するため、eラーニングシステム「learningBOX」を2023年に導入した。learningBOXが9月11日に公開した導入事例で明らかにした。DVD教材の視聴環境や在庫管理の課題を解消し、決済機能の活用によって、年間約2万人規模の教材販売に伴う入金確認の想定処理量を10%未満に抑えている。

 全国手話研修センターは、手話通訳者や手話奉仕員の養成、手話通訳者全国統一試験の実施など、手話に関する幅広い事業を展開している。同センターでは厚生労働省の手話奉仕員養成カリキュラムに準じたテキストを発行しており、従来は動画教材をDVDとして書籍にセットして販売していた。しかし、スマートフォンやインターネット環境の普及に伴い学習環境の向上を求められていたほか、書籍へのDVD貼り付けといった在庫管理作業が職員の負担となっていた。また、年間約2万人が利用する教材の入金確認を人手で処理することは困難であり、受講者対応の履歴を職員間で共有する仕組みの不足も課題だった。

 こうした課題を解決するため、同センターは2023年に発行した改定テキストに合わせて動画教材のクラウド化を計画し、8社から見積もりを取得して比較検討を進めた。その結果、初期投資を抑えられる料金体系であることや、自社で教材の追加や更新が可能な柔軟性、利用実績に応じた手数料体系が事業規模に合致している点を評価。さらに、ベンダーの本社が兵庫県たつの市にあり対面で相談しやすい距離感であったことや提案の具体性が決め手となり、learningBOXの採用を決めた。

 同システムでは、受講者向けに「手話動画視聴システム」を構築。手話奉仕員養成講座の入門課程と基礎課程に対応する390のコンテンツを揃え、習熟度を測るクイズ機能「ホームワーク」も実装した。スマートフォンでの視聴を前提とした短い動画構成や、手話のみ、または手話と日本語字幕の併記を受講者自身が選択できる設計とした。さらに、コンテンツ販売や決済を自動化する「EC」オプションや、セキュリティ強化のための「エンタープライズ」オプションも組み合わせて運用している。

 システムの稼働により、受講者はスマートフォンを通じて場所や時間を選ばず自身のペースで学習を進められるようになった。物理的なDVDの在庫管理業務から解放されたほか、ECオプションの導入によって、職員2名で対応していた年間約2万人分の入金確認作業は想定される処理量の10%未満に抑えられた。また、販売管理画面のメモ機能を活用することで、受講者からの問い合わせ内容や対応履歴を複数の職員間で即座に共有できるようになり、業務の円滑化と教材の質向上につながっている。指導を行う講師陣からも指導効果が高まったとの評価を得ている。

 同センター手話事業課人材養成部門担当課長の秋山なみ氏は、「手話施策推進法の成立を受け、国や自治体による手話習得の取り組みが進むとともに、社会的な関心も高まっている。今後も手話の拠点として手話奉仕員養成講座を中心に事業の充実を図っていきたい」としている。

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