JCOM、現場主体の分析環境を構築しデータ民主化を推進

2026年9月15日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 JCOMは、SalesforceのBIプラットフォーム「Tableau」を活用し、全社的なデータ活用の高度化と現場主体の分析環境の定着を進めた。9月14日、日立ソリューションズが発表した。手作業中心のデータ加工や分析の属人化を解消し、社員が必要なデータにアクセスして自ら分析できる環境を整備した。今後はAIの活用も視野に、高度なデータ活用を目指す。

 JCOMは全国5大都市圏で、ケーブルテレビ、インターネット、電話など暮らしを支えるサービスを展開するほか、メディア・エンターテインメント事業を手がけている。同社は、業務改善や顧客体験の向上に向けて社内データの活用を重視してきたが、従来はExcelでのデータ加工やレポート作成といった手作業が中心だった。事業成長に伴って扱うデータ量が増えるにつれ、作業効率の低下や分析業務の属人化が顕著になり、各部門が高度な分析を実施することも難しくなっていた。

 同社は2016年、データ活用・分析の高度化を本格化するため、全社横断の専門組織としてデータソリューション推進部を編成し、情報システム部門とともに社内システムのデータ整備に着手した。2018年には全社分析基盤をリリースし、BIプラットフォームとしてTableauを採用。経営ダッシュボード、予算管理、NPS、視聴率など、複数の業務用途に対応した可視化を段階的に進めた。

 導入当初は、情報システム部門と日立ソリューションズが中心となり、データ準備やダッシュボードの作成を担った。しかし、事業部門からの依頼に応じてダッシュボードを作成する従来の体制では、活用拡大に必要なスピードと柔軟性を確保しにくかった。そこで2021年に「データ民主化プロジェクト」を発足させ、事業部門が自らデータを分析するセルフ分析の推進へと方針を転換した。

 活用促進では、JCOMが勉強会やOJTを企画・展開し、日立ソリューションズはTableauとデータ活用に関するセミナー、ワークショップを実施した。同社が自社内で培ったTableau活用の実績・ノウハウに加え、長年の協業を通じてJCOMの業務や過去の取り組みを理解していたことも、パートナー選定の理由となった。

 2024年には、セルフ分析の利用拡大に対応してTableau Prepの専用サーバーを構築した。2026年9月時点で、JCOM全体では約250ライセンスを利用する。Tableau Prepにより、データの収集・加工・前処理などを効率化し、現場が分析に着手するまでのリードタイムを短縮した。Tableau Serverではダッシュボードを共有し、連携する部門が現状を速やかに把握し、施策を検討する習慣が定着し始めている。

 情報システム部門にとっても、日立ソリューションズの支援により、バージョンアップや構成変更といったリスクの高い作業への対応力を高めたほか、障害発生時の原因分析・対応の迅速化を通じて、運用品質の向上につながった。

 JCOMは今後、利用者の拡大に合わせて権限整理や運用ルールの見直しを進めるほか、ダッシュボードの継続的な改善にも取り組む。AIを活用して「何を見るべきか」という分析の着眼点を支援し、人に依存しないデータ活用を目指す。

ニュースリリース