ヤマハサウンドシステムは、ダイレクトクラウドが提供する法人向けクラウドストレージ「DirectCloud」を採用し、約10テラバイトのファイルサーバーをクラウド環境へ移行した。8月28日、ダイレクトクラウドが発表した。オンプレミスサーバーの保守管理負担を軽減するとともに、アクセス権やログ管理の統制強化を図る。
ヤマハサウンドシステムは、劇場やホール、スタジアムなどの音響システムについて、企画や設計から施工、保守までを一貫して手掛ける音響エンジニアリング企業だ。同社では工事に関する製品情報や図面、写真データなどを長期保管する必要があり、運用していたファイルサーバーのデータ容量は約10テラバイトに達していた。そうした中、運用していたWindows Server 2012 R2のサポート終了と東京から横浜への本社移転が重なり、移転先でのサーバー室確保の不確定さやオンプレミスサーバーの維持管理が課題となっていた。
同社は他社クラウドストレージを含む3サービスを比較検討し、DirectCloudの採用を決めた。選定にあたっては、二要素認証やIPアドレス制限といったヤマハグループのセキュリティ基準を満たせる点や、問い合わせに対する迅速なサポート体制を評価した。また、「DirectCloud ドライブ」により従来のエクスプローラーと同様の操作感を維持できる点、ユーザー数に依存しない料金体系と約10テラバイトのデータ容量に対するコストバランスの良さも決め手となった。
データ移行は外部業者の支援を受けながら夏季休暇期間を利用して実施し、優先度の高いデータから順次移行を進めた。従来のファイルサーバーで設定されていた役職や部門単位の細かなアクセス権をそのまま再現したほか、自社向けのマニュアルを作成して配布することで、休暇明けから全社で円滑に利用を開始できた。現在は233ユーザーが利用している。
DirectCloudへの移行により、実機の維持管理やサーバー更改に伴う設備投資の負担から解放された。運用面では、フォルダごとの細かなアクセス権設定が即時に反映されるようになったほか、管理者画面からアクセスログを詳細に追跡できるようになり、ファイル操作履歴の把握や統制が容易になっている。
今後は、社内に分散しているファイル保管場所の集約を進める。また、現場業務が多くテレワーク率が高い技術系社員に向けて、複合機でスキャンしたデータを社外からDirectCloud上で受け取れる連携機能の活用も検討している。