サンフレッチェ広島は、ビジュアル・プロセッシング・ジャパン(VPJ)が提供するデジタルアセット管理(DAM)システム「CIERTO」において、AI顔認証による選手写真への自動タグ付け機能を本格稼働させた。8月27日、サンフレッチェ広島が発表した。写真に写る選手をAIが自動判別して選手名を付与することで、広報や制作現場における写真検索の迅速化と発信力強化につなげる。
広島県をホームタウンとするプロサッカークラブ、サンフレッチェ広島では、1試合当たり数百枚に及ぶ写真や映像を撮影している。一方、撮影データは撮影者ごとに分散しており、写っている選手を判別・整理する作業も担当者の手作業と記憶に依存していた。必要な写真を探し出す負荷が大きく、蓄積したコンテンツを十分に活用しにくいことが課題だった。
同クラブはこの課題を解消するため、写真・映像データを一元管理する公式基盤として、2026年7月にデジタルアセット管理システム「CIERTO」を採用した。併せて、TONIQの設計・構築支援の下、AIを活用したメタデータ付与の自動化を進めた。トップチームの全選手と監督の顔特徴をAIに学習させ、CIERTOへ登録する写真を自動解析する仕組みを構築した。
AIは最短数分で選手名のタグを付与し、1枚に複数の選手が写っている場合も、それぞれを認識してタグ付けする。CIERTOの採用とAI活用により、分散していたデータの集約、写真整理の省力化、コンテンツの検索性向上を図った。
導入に当たっては、実際の試合写真を用いてAIの認識精度を検証した。逆光や選手が密集した場面、観客の写り込みがある写真でも誤判定は発生しなかったという。確信度が高い場合だけタグを付与する安全設計とし、担当者が手動で設定したタグをAIが上書きしない仕組みも採用した。併せて、過去に蓄積した写真資産へのタグ付与も完了している。
新機能の本格稼働により、選手名を起点とした横断検索が可能になり、写真の検索作業は従来の数分から数秒へ短縮された。試合直後のSNSやオウンドメディアでの発信、報道機関への素材提供、スポンサー企画に向けた選手写真の抽出などを迅速化できる見込みだ。
今後は新加入選手の顔特徴の追加学習を進めるほか、女子チーム「サンフレッチェ広島レジーナ」やアカデミーの写真・映像データへの適用も検討する。デジタル化済みの過去のネガフィルムや現像写真についても顔認証タグ付けの対象を広げ、クラブの歴史的な資産の活用につなげる。