デマント・ジャパン、搬送業務を自動化 月間110km超の移動をロボットが代替

2026年3月12日23:38|ニュースCaseHUB.News編集部
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 デマント・ジャパンは、補聴器の製造拠点における生産体制の効率化を目的に、自律搬送ロボット「カチャカプロ」を採用した。3月12日、製品を提供するPreferred Roboticsが発表した。4台のロボットを同時稼働させることで、月間110km以上の搬送業務を自動化し、従業員が製造や修理といった本来の業務に集中できる環境を整えた。

 デマント・ジャパンは、世界的な聴覚ヘルスケアグループであるデンマーク・デマントの日本法人だ。同社は補聴器や聴覚診断機器の需要拡大に対応するため、2025年8月に国内唯一の製造拠点である品川シーサイドのオフィスを移転。フロア面積を従来の約1.5倍に拡大した。

 移転にあたっては、工程が一方向に進み戻りが発生しない「ワンウェイ」の生産ラインを構築し、業務効率化を図った。しかし、フロアの拡大に伴い、人の手による部材搬送が大きな負担になることが懸念された。以前の拠点でもライン間を往復する搬送の無駄が発生していたことから、移転を機に工程間の搬送作業をロボットへ代替し、移動の無駄を排除した効率的な現場の実現を検討していた。

 機種の選定では3〜4社の搬送ロボットを比較検討した。その中からカチャカプロを採用した理由は、他社製品と比較して手軽なコストで導入でき、高い費用対効果が見込める点にある。また、専用のアプリ上で進入禁止エリアや経路を設定できるため、マーカーの設置など環境側に手を加える必要がない点も評価された。小回りが利くコンパクトな設計により、人とロボットが協働するエリアでも安心して稼働できる点や、ボタン操作などのシンプルな操作性も選定の決め手となった。

 現在は4台のカチャカプロを運用しており、主に3つのルートで補聴器や指図書を搬送している。カスタマーサービスから修理工程への約40mの搬送に2台、修理工程から品質管理工程への約30mの搬送に1台、組立工程から品質管理工程への約40mの搬送に1台を割り当てている。いずれのルートも、往路はボタンを押すだけで指示が完結し、復路はシェルフを揺らすことで元の場所に戻るよう設定されている。

 導入の効果として、4台合計で月間約110km以上、時間にして約73時間の搬送業務を自動化した。これにより、従業員が移動に費やしていた時間を製造や修理の業務に直接振り向けられるようになった。現場では走行中にBGMを流す機能を活用しており、作業者が到着を事前に察知して受け入れ準備を整えられるようになるなど、一連の作業の円滑化にも寄与している。

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自律搬送ロボットによる搬送の様子

 デマント・ジャパンプロダクションサービス部の加藤部長と田中チームリーダーは、「カチャカプロは操作が非常に容易なため、導入直後からスムーズに現場へ受け入れられた。今では現場になくては困るレベルの存在になっている」としている。

ニュースリリース