横浜銀行、データ連携の内製化で開発期間を90日から1日へ短縮

2026年3月12日23:46|ニュースCaseHUB.News編集部
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 横浜銀行は、金融デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのデータ利活用基盤として、セゾンテクノロジーのクラウド型データ連携プラットフォーム(iPaaS)「HULFT Square」を採用した。3月12日、セゾンテクノロジーが発表した。マルチクラウド環境におけるデータ統合を内製化したことで、データ提供までのリードタイムを短縮したほか、業務の自動化による効率化を達成した。

 1920年創業の横浜銀行は、神奈川県と東京都を中心とした強固なネットワークを持つ地方銀行の最大手だ。現在は2027年度までの中期経営計画に基づき「ホームマーケットでの確固たる成長」を目指しており、その重点戦略の一つとして生産性の向上を掲げている。特に本部の業務負荷を軽減し、顧客と向き合う時間を創出するためのデータベース活用に注力している。

 同行のITソリューション部データマネジメントグループは、誰もが必要なデータをいつでも利用できる環境を目指し、データウェアハウスとしての統合データベースを構築していた。しかし、現場からの多様なデータ利活用ニーズに対し、開発を委託している外部パートナーへの依存が課題となっていた。テーブルの追加やデータ集約を個別に依頼する必要があり、コストや納期が見合わずに断念するケースも多く、迅速なデータ提供が困難な状況にあった。

 こうした課題を解決するため、同行は開発の内製化によるアジリティの向上を決断。統合データベースと各サブシステムを容易に連携できる手段としてHULFT Squareを選定した。同行ではクラウドシフトを推進しており、サーバーの構築や保守が不要で迅速に運用を開始できるiPaaSであることを高く評価した。また、すでに外部パートナーがオンプレミス向けの「DataSpider Servista」を利用しており、操作性やユーザーインターフェースが共通していたことも採用の決め手になった。

 現在、HULFT Squareは新CRMやスマートフォンアプリ「はまぎん365」、クラウドストレージの「Box」といった複数のサブシステムから統合データベースへデータを集約するパイプラインとして活用されている。ノーコード開発が可能なため、AWSやGoogle Cloudが混在するマルチクラウド環境においても、専用コネクターを用いて柔軟に接続できている。

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データ連携プラットフォームの構成イメージ

 導入の効果は顕著に現れている。データ連携の開発を内製化したことで、従来は見積もりから実装まで約90日を要していた開発期間が、最短で1日にまで短縮された。また、これまで手作業で行われていたExcelによるデータ集計作業を自動化した結果、業務時間を82.5%削減することに成功した。ノーコード開発の特性を活かすことで属人化を排除し、専門スキルに依存しない安定した運用体制も確立している。

 同行のITソリューション部データマネジメントグループで実装を担当した芋川広武氏は、シンプルな処理を中心にチュートリアルやカスタマーサクセスのサポートを活用しながら自ら構築した。芋川氏は、内製化によって外部委託費用が不要になっただけでなく、現場からの相談に柔軟に応じられるようになった点を高く評価している。

 今後は、現在連携している4システムから、営業部門や監査部門の要望に応じて40を超えるシステムへの拡大を計画している。SalesforceやSharePointといったクラウドサービスとの連携も視野に入れている。さらに、生成AIと連携した自然言語処理の前処理の効率化など、活用範囲のさらなる拡張を模索し、データ利活用戦略の重要基盤として運用を継続する方針だ。

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